大人と子どものための世界のむかし話5 ポリネシア・メラネシアのむかし話/ダイクストラ好子・編訳/偕成社/1989年初版
すごくシンプルに海のはじまりを教えてくれる昔話です。
二人の孫と暮らすおばあさん。
おばあさんが畑に行く前に、孫に囲いに入ってはいけないと言い残してでかけます。
みるなといわれて、何があるだろうと囲いをのぞいた二人。
なかにはサトイモの葉があるだけです。
二人はトカゲがサトイモの葉にとまっているのをみると、矢をはなちます。
矢はサトイモの葉に穴をあけてしまいます。すると葉の中から水がこぼれだし、ゴウゴウと天地をゆりがすほどの音で、囲いの中に水がたまっていきます。
おばあさんが、この音を聞いて「あまねく、そそげ、世界中に」と叫ぶと、囲いの水がおばあさんの家といわず、畑といわずのみこんでしまいます。
それでも水はとまらず、あふれつづけ全世界にひろがっていったというのですが・・・。
サトイモを育てるときは、水やりが大切といわれていますが、逆に水をつくるというのも、どこからきているのでしょうか。
このおばあさんも不思議な存在です。