どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

せんすの寿命

2016年10月02日 | 昔話(日本)

      子どもに贈る昔ばなし1/再話・沖縄昔ばなし大学再話コース 小澤俊夫・編・監修/小澤昔ばなし研究所


 高い利子でお金を貸して、返せない人からはふとんでもなんでもとりたてる意地悪な金貸しのおじいさん。

 おじいさんが遠くの村の手相見にひやかしで、せんすの寿命をきくと、来年の2月3日までという。それでは自分の寿命はときくと、来年の3月3日までという。

 こころおだやかでないおじいさんは、2月3日が一週間ぐらいにせまってくると、いつもタンスのせんすをたしかめていました。そしてそれは1時間ほどに確認するまでに。
 当日、タンスの中をみたおじいさんが、外に出たとき、不思議に思ったおばあさんがタンスをあけてみると、そこにはきれいな娘がえがかれたせんすがはいってみました。

 せんすの絵にうつつを抜かして仕事もしないですぐ帰ってきていたんだと、おばあさんは怒って、せんすを破って燃やしてしまいます。

 するとタンスのなかにせんすがなかったので、おじいさんは手相見のいうことが本当になったのだと思い、あの世にお金はもっていけない、死ぬ前に世のため人のために働こうと、それからは返済がとどこおっている人には、お金がもうかったときに返してくれればいいといい、貧しくて返せない人には、借金をもう返さなくていいよと仏の金貸しに。

 人の弱みにつけ込んで、金もうけをしようとたくらむ人に、聞かせたい話。

 安心して聞ける話のようです。