どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

あたまにつまった石ころが

2018年08月06日 | 絵本(外国)


    あたまにつまった石ころが/キャロル・オーティス・ハースト・文 ジェイムズ・スティーブンソン・絵 千葉 茂樹・訳/光村教育図書/2002年


 おはなし会のプログラムにあったので読んでみました。

 図書館の閉架図書にあって、普段目につかないところにありました。閉架は職員をとおさないと借りられないので、気がつかないとスルーしそうです。

 娘が夢をおいもとめた父親をえがいています。

 石というとなんの役にもたちそうにもないのですが、好きなことをとおして、博物館の鉱物学部長になった父親。
 本文にはでてきませんが、そうとうの年になってから、働きながら大学に通い、科学博物館の館長に就任しています。

 「あいつは、ポケットにもあたまのなかにも 石ころがつまってるのさ」といわれて育った父親。
 ただ、それだけではありません。ガソリンスタンドを経営しながら、当時フォード社がだしたT型フォードの修理用の部品をあつめます。
 ガラクタが売れるわけないだろうといわれながらも、飛ぶように売れ始めた車の部品。先見の明もあったようです。しかし大恐慌がおこりガソリンスタンドも車の修理の仕事もなくなってしまいます。

 ガソリンスタンドには、父親が集めた展示コーナーもあったのですが、石はやがて屋根裏部屋へ。

 仕事が見つからず、博物館通いをしていた父に声をかけたのは博物館の館長のグレース・ジョンソンさん。
 屋根裏部屋の石のコレクションをみた館長は、父親に夜の管理人にならないかといいます。

 やがて石を歯ブラシでみがき、まちがっている石のラベルを書き換えたりと、誠実な仕事ぶりが認められて・・・。

 好きなことに打ち込んでいると、それをちゃんと見ていてくれる人もいます。
 目先のことに右往左往しがちですが、それはあまりいい結果には結びつききません。そんなことをおしえてくれます。