どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

赤ギツネの策略・・エスキモーの昔話

2018年08月19日 | 昔話(外国)
                    エスキモーの民話/本多勝一・訳/すずさわ書店/1974年初版


 本多勝一さんがエスキモーの民話を訳しているというのも、まったく結びつきませんした。「民話」をとうして、別の面を発見できました。

 雌の赤ギツネと雄のヒグマが互いに食べ物をさがしているときにあいます。

 キツネは雷鳥をとってきて、ヒグマにあげると、人間がおっかないというキツネのために、人間のところへでかけますが、人間の矢を射られ、ふらふらになってかえってきます。
 手当てしてやるといいながらヒグマを殺し、その肉でひと夏をすごしたキツネ。

 こんどは、オオカミ。
 マスをつるには、しっぽにつり針を結び付けて水中にたらすだけでいいと誘導します。ところが日が沈んでオオカミがしっぽをひきあげようとすると、しっぽが氷づけになって、抜けなくなってしまいます。怒ったオオカミは、しっぽがきれてもキツネをおいかけます。
 穴にかくれたキツネは、一度もお目にかかったことがないとしらを切り、別のキツネがやったといいはります。
 別のキツネをおいかけたオオカミですが、とちゅう傷の出血多量で倒れてしまいます。またも肉を手に入れたキツネです。

 ある日、キツネがあったのはおおきな雌のヒグマ。いぜんいただいたヒグマの母親でした。子の骨をみせられた母グマが、キツネにそそのかされ仇討ちとばかり別のヒグマとたたかいます。
 勝った母グマも傷ついて、重傷に耐え切れず、死んでしまいます。

 キツネは二頭のヒグマの肉を手に入れます。

 しっぽが短くなるところでおわる由来話がおおいのですが、ここでは続きがあります。

 残酷な展開ですが、厳しいを自然を生き抜くためには、半端ではできません。