フィリピンの昔ばなし/カラオの洞窟/荒木博之:編・訳/小峰書店/1989年
2,3羽のティギィの鳥が、テインギャン村のリギィという若者に声をかけます。
稲を刈らせてくださいなというのです。
もちろん鳥に稲刈りができるはずがないと思ったリギィでしたが・・。
リギィの姿が見えなくなると、ティギィの鳥は戻ってきて、魔法を使って稲を実らせます。
びっくりしたリギィでしたが、鳥は稲刈りは自分たちのまかせてほしいと、リギィを家にかえらせます。
鳥たちは稲狩り鎌に稲を刈らせ、わらに稲を束ねらせます。
リギィは、五百束の稲が刈り取られているのをみて、刈り上げのお祭りにくるようにいいます。
お祭りにやってきた鳥たちでしたが、夕方になると人間の国にながくいることはできないからと、空高く飛び去っていきます。
リギィが鳥を追いかけ、バナアシの木のところにくると、鳥たちが羽の衣を米の倉にしまいこもうとするところでした。
するとたちまち、一人の美しい娘があらわれます。魔法がかけられて、ティギィの鳥にされていて、稲刈りを手伝ったら人間の姿にもどることができたのでした。
魔法がとける方法も色々出てきますが、稲刈りの手伝いをすると魔法がとけるというのもはじめて。
稲作の国ならではの展開です。
ティギィの鳥、バナアシの木という、これまで聞いたことがないものもでてきます。