どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ティギィの鳥・・フィリピン

2018年08月07日 | 昔話(東南アジア)

       フィリピンの昔ばなし/カラオの洞窟/荒木博之:編・訳/小峰書店/1989年


 2,3羽のティギィの鳥が、テインギャン村のリギィという若者に声をかけます。

 稲を刈らせてくださいなというのです。

 もちろん鳥に稲刈りができるはずがないと思ったリギィでしたが・・。

 リギィの姿が見えなくなると、ティギィの鳥は戻ってきて、魔法を使って稲を実らせます。

 びっくりしたリギィでしたが、鳥は稲刈りは自分たちのまかせてほしいと、リギィを家にかえらせます。

 鳥たちは稲狩り鎌に稲を刈らせ、わらに稲を束ねらせます。

 リギィは、五百束の稲が刈り取られているのをみて、刈り上げのお祭りにくるようにいいます。

 お祭りにやってきた鳥たちでしたが、夕方になると人間の国にながくいることはできないからと、空高く飛び去っていきます。

 リギィが鳥を追いかけ、バナアシの木のところにくると、鳥たちが羽の衣を米の倉にしまいこもうとするところでした。

 するとたちまち、一人の美しい娘があらわれます。魔法がかけられて、ティギィの鳥にされていて、稲刈りを手伝ったら人間の姿にもどることができたのでした。


 魔法がとける方法も色々出てきますが、稲刈りの手伝いをすると魔法がとけるというのもはじめて。

 稲作の国ならではの展開です。
 
 ティギィの鳥、バナアシの木という、これまで聞いたことがないものもでてきます。