ぼくら バッタのなかまたち/作・写真:栗林 慧/教育画劇/2013年
紙芝居といっても写真で構成されています。
でてくるのは、トノサマバッタ、コオロギ、キリギリス、ショウリョウバッタと身近なものばかり。
でも、じっくりとながめることは少ないのでは。
写真はバッタの目線ですから、怪獣のようにもみえます。
コオロギは男の子しか鳴かないそうですよ。
ともだちをたすけたゾウたち/わしお としこ・文 遠山 繁年・絵/教育画劇/2002年
多摩動物公園で本当にあったという話です。
ゾウのアヌーラが目がとろんとし、えさもたべず、からだにみずばかりかけています。
獣医さん、飼育係の努力にもかかわらず、よくなりません。ふつうゾウは、夜よこになって ねむりますが病気のときは、ずっとたったままです。よこになると、たてなくなってしまうのです。
そんなアヌーラにタカコとガチャコの二頭のゾウが、エサをたべるのをやめて両脇に立って、アヌーラがたおれないように、からだでささえます。
動物園にやってきた子どもたちの前でも三頭はかたまりになっています。散歩もみじあびも我慢してアヌーラをささえるタカコとガチャコ。
やがて一頭が支えていると、もう一頭は水遊びや散歩。しばらくすると、もう一頭とかわります。そんな日がいく日もつづき、アヌーラは一か月後には、しっかりと自力で歩き出します。
ゾウは仲間の異変をどうして知ったのでしょうか。
「群れ生活のなかで誕生し、成長する過程で培われた”他を思いやる心”」の結果なのだろうと、元多摩動物公園長の中川さんの解説がありました。
仲間のために尽くす「利他行動」があれば、いじめなどはなくなります。