まっくろネリノ/ヘルガ=ガルラー:作・絵 矢川 澄子・訳/偕成社/1973年
まっくろネリノは、とうさんとかあさん、兄さんたちの7人家族。
とうさんとかあさんは毎日えささがしで忙しい。いろんな いろした きれいな兄さんたちは、まっくろなネリノとちっとも遊んでくれません。それでネリノは、いつもひとりぼっちでした。
ネリノは花たちに「どうすれば そんな いろに なれるの?」ときいてみますが、「しらないわよ うまれつき」
くすりをのば、きれいになれるかかな? でも、どれが きくのかわかりません。
ところがたいへん、兄さんたちが急に行方不明になって、とうさん、かあさんと一緒に探し回りますが、森にも野原にもいません。
すると、金のとりかごのなかに、兄さんたちが、つかまれられていました。あまりきれいなのでつかまっていたのです。
どうしよう、どうしたらすくってあげられるだろう。
まっくろけのネリノは、夜ならだれにもみつからないだろうと、日が暮れるのをまって、おにいさんたちの救出にむかいます。そしてかごのとをあけ、みんなでにげだします。
今では、兄弟いつでも いっしょ。なかよく遊んでいます。
みんな同じである必要はない、それぞれの個性が大事と伝えてくれます。
はじめ、目玉が目立つ丸い可愛いキャラクターがなにかわかりませんでしたが、兄さんたちが閉じ込められていたのが鳥かご。小鳥でした。
もう50年近く前の絵本ですが、色彩が色あせることはなさそうです。