みっつのねがいごと/マーゴット・ツェマック:文・絵 小風 さち・訳/岩波の子どもの本/2003年
貧しいけれどなかむむつまじく働いていた木こりの夫婦が、森の中で、しっぽが木の下になって動けなくなっている小鬼をたすけてあげます。
すると小鬼は「かんしゃ かんげき あめ あられ」「ねがいごとを みっつだけかなえてあげよう。いざ さらば!」と森の奥に消えてしまいます。
訳者の方も楽しんで訳されているようです。
みっつのねがいごとをかんがえると みも こころも ほかほか。
”上等の服と銭” ”でっかいお屋敷” ”でっかい宝石箱” ”山盛りの金貨”
馬車があれば、重い薪も軽々と運べます。
しかしまずは、晩飯に鍋一杯のソーセージがほしいと木こりがいうと、鍋いっぱいのソーセージがジュージュー 音を立てています。
おどろいたおかみさんが 「あんた、ばかじゃないの!」「あんたの その だんごっぱなに くっついちまえば いいんだわよ!」というと、ソーセージが鍋から飛びだしてきて、木こりの鼻に、ずらりと ぶらさがってしまいます。
せっかくのねがいごとを、二つもしてしまった夫婦の最後の選択は?
創作ですが、昔話によくあるパターンです。突然、願い事をかなえてあげるといわれて、いろいろ空想するのも楽しみです。
夫婦喧嘩になりながらも、落ち着くところに落ち着くのもほっとします。