コッコさんのかかし/片山 健/福音館書店/1996年
コッコさんが、おとうさんとおにいちゃんの三人で案山子をつくり、近所の畑にもっていくと、陸稲のたねまきをしていた おばあさんは、とても よろこんでくれました。鯉のぼりがゆれている五月でした。
コッコさんは、案山子の様子をみにいきました。梅雨になっても夏になっても案山子はしっかりたっていました。暑い日が続くと、陸稲が のびていて 案山子は もうみえなくなっていました。
台風の次の日、心配になって見にいってみると 案山子はよれよれで 泥だらけでしたが、ちゃんと 畑にたっていました。
秋、陸稲は、金色にいろづいて、おもそうに 穂をたれています。
刈り入れの日には、案山子はどこにもみあたりませんでした。役目が終わったので、コッコさんはもう案山子のことをわすれて、うちであそんでいました。
秋の おわりに、ひさしぶりに 畑に行ってみると・・。
田園がひろがり、案山子がたっている風景もあまり見なくなりました。コッコさんたちが案山子を作ったのは、農家の人に喜んでもらいたかったのでしょうか。
遊ぶ子どもたち、畑を見下ろす屋根の上の鳥、ヘビ、トンボなど細かなところも注目です。