ふぶきのみちは ふしぎのみち/稲村 有希子/アリス館/2020年
雪の朝、みちるは おねえちゃんと 学校にむかいます。
ビュービュー吹きつける雪。うまくまえにすすめません。
おねえちゃんが みちるに 声をかけます。
「いち・に けむし」「いち・に いもむし」「いち・に ねずみ」「いちに・に もぐら」「いちに・に うさぎ」と声をかけながら歩いていくと、急にしろくまが あらわれ、みちるは びっくり。
みちるが はしってにげようとすると しろくまは しっつこく ついてきます。
いつのまにか おねえちゃんと はぐれてしまいました。
しろくまと歩いていると アザラシやクジラもあらわれました。
丘を登りはじめると ペンギンたちも のぼっています。ゴー ゴー ビュー と激しくなる吹雪に心細くなったみちるが、「おねえちゃーん・・!」とさけぶと、しろくまが ぎゅっと みちるを だきあげて「いち・に おばあさん、いち・に おじいさん いち・に おねえちゃんと」と、ポーンと みちるを ほうりあげると たかく たかく とお~く どさっ。
おねえちゃんがみつかって ふたりは こんどは しっかりと 手をつないで 学校へ むかいました。
ことしはいつもより大雪で、道路で何時間も車が立ち往生してしまいました。ほどほどの雪ならともかく、平年の三倍以上となると、雪かきも一苦労。
大雪になると、前後左右が見えなくなって 不安におそわれますが、であえたのが しろくま、クジラだと 楽しくなります。
繰り返す かけごえで 足が 進みます。