ハブラシのサミー/M・G・レナード・文 ダニエル・リエリー・絵 青山南・訳/化学同人/2020年
パンデミックの影響でやや影が薄くなりましたが、地球温暖化とならんで問題となっている海洋プラスチックゴミ。ストローがプラスチック製から紙製にかわり、レジ袋が有料になりましたが、まだまだ先の見通しはたちません。
この絵本ではハブラシをとおして、海洋プラスチックを考えていて、親子で環境問題を話し合うきっかけになりそうです。
サミーというのは、6歳のソフィアが、お気に入りの黄色いハブラシにつけた名前。
ハブラシはつかっていると毛先がグシャグシャになり、一定期間つかっていると、捨てられる運命。ここからゴミとなったサミーの冒険?です。
ゴミ収取車で運ばれ、船に乗り、海を渡って、どこかの遠くあついところについたサミー。
ソフィアのことが忘れられないサミーは、ネズミの力を借りて川に飛び込み、何日も何週間も海のなかでとばされたり、のみこまれたりします。
そして、サミーを食べようとしたアホウドリが、海や高い山を、いくつもとびこえて、ソフィアのうちに つれていってくれました。
ソフィアは、もどってきたハブラシで、お人形の髪をとかしたり、サッカー・シューズもきれいにできるし、絵具もぬれると思い、サミーを ジャムの空き瓶のなかにいれておきました。
サミーがいくさきざきでであうプラスチック製品が出てきますが、欲を言えばマイクロプラスチック化についてもふれてほしかった。