はつめい だいすき/ピップ・ジョーンズ・文 サラ・オギルヴィー・絵 福本友美子・訳/BL出版/2018年
もじゃもじゃ頭でトンボメガネのイジーは発明が大好きな子。どこにいくにも道具袋をもち、肩からトンカチをぶらさげ、こわれそうなものがあると、すぐに修理するのがお手の物。
ところが、「おちゃどうぞマシン」のバネがボヨーン、ジャバラがビロ-ンとこわれ、「スパゲッティぐるぐるまきマシンん」が、壁紙をばらばらまき、おじいちゃんのための「ひげそりマシン」がカチカチあばれだし、こまったことに。
イジーはかんしゃくをおこして「やくたたず! もうやだ! やーめた!」「この おたんこなす」とマシンを蹴飛ばします。にんまりしたおじいちゃんは「へんてこマシンが ぶっこわれたぐらいで あきらめなさんな。なんども なんどもやってみるんだ。うまくいくまでな」と、被害をうけながらも やさしく いいます。
そんなある日、カラスが空から落ちてきて、地面に墜落。獣医さんのところへ駆け込むと羽が折れているから飛べないといわれます。イジーがカラスを元気づけようとしますが、カラスは心がおれて、にぎやかに飛び回る 仲間を むなしく 見つめるばかり。
意気消沈しているイジーは、おじいちゃんに、「ここで あきらめなさんな。やればできる。もっと 頭を使ってごらん!」といわれ あたらしい羽根をつくることにします。
必要は発明の母。ここからイジーの奮闘がはじまります。でもこれがなかなか。あちこちから部品を調達し、カラスが 飛べるようになりますが その代償もおおきい。なんせ、強面のライダーのバイクから歯車二個と、油をためる部品、美容院のドライヤーからモーターを いただいてきましたから!
イジーが シャワーのヘッドをはずしたり、洗濯機からモーターを取り出したり、あれこれ いきいき やっているのが 楽しそう。メカニックをつくりあげる道具や こまかな部品が いっぱい でてくるので、役割を想像しながら みることもできます。
「なにごともやればできる」と助言する 素敵なおじいちゃんです。