字はうつくしい/井原奈津子:文・構成/福音館書店/2023年(月刊たくさんのふしぎ)
ときどき手書き文字の絵本があって、そこには作者の思いがこめられていて、活字体にはないぬくもりを感じます。
いまはほとんど手で書くことがなくなり、たまに書くと漢字が思い出せないことも多い。
習字教室を開いているという作者の「わたしの好きな手書き文字」への思いが込められていて、あらためて文字のことを学ばせていただきました。
有名人の手紙や普段何気なく見ている街角で見られるポップや喫茶店のメニューから、手書き文字の歴史まで。
読めなくてもうつくしいという藤原定家の字。当時、本は写本でつくられ、なんどもなんども書き写していたので、その人独自の書き方ができあがったのでしょう。
折り込みに、「飛鳥から令和ひとっ飛びー日本の手書き文字1500年」には、56種類の書が掲載されていて圧倒されました。
かな、カタカナ、漢字と、他の国より多様な表現方法がある日本語。漢字圏以外の国に、「書」があるでしょうか。アルファベットやアラビア文字の書というイメージは うかびません。