どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ムラー・ド・ピアザとうるさい犬の飼い主・・パキスタン

2025年02月12日 | 昔話(アジア)

  現代アジア児童文学選5/アジアの笑いばなし/ユネスコ・アジア文化センター・編 松岡享子・監訳/東京書籍/1987年

 

 とんちで有名なムラー・ド・ピアザの家の隣に、理由もなしにしょっちゅうほえる犬がいました。

 ある晩、真夜中を過ぎたころ、とつぜん隣の犬がけたたましくほえだしました。がまんできなくなったムラ―が、杖で犬をおもいっきりたたきはじめると、犬がキャンキャンなきはじめ、さわぎをききつけた犬の飼い主が怒ってさけびました。

 「もしも、お前がこいつのせなかをぶったら、わしがお前の背骨をへしおってやる。こいつの足にさわったら、お前の足をたたき折ってやる、わかったか?」

 ムラ―は、犬の飼い主に、天真爛漫にこたえました。

 「ああ、よくわかった。そういうことなら、これからは、しっぽだけぶつことにするよ!」