どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふゆのあとには はるがきます

2025年02月22日 | 絵本(日本)

   ふゆのあとには はるがきます/文・石井睦美 絵・あべ弘士/アリス/館2023年

 

 「あ、ゆきむし」「ゆきのきせつに なるわね」

 ゆきむしが とんで、幾日かすると雪がふりはじめました。雪が一日中降り続くと、街も森も 白く冷たい 綿ぼうしでおおわれていました。

 雪は降ってはやみ、やんではふります。

 街では雪かきに大忙し。森では、きつつきが木の枝につもった雪をはねのけ、虫を探しています。リスは蓄えてあったどんぐりを、むしゃむしゃ食べ、おなかがいっぱいになると、また眠ってしまいました。くまも、眠り続けています。

 やがて、おひさまが顔を出す日が多くなると、森の木の根元の雪も すこしずつ とけだし、丸い輪が できました。

 それは、春がくる、というしるしです。

 

 おだやかな雪国の情景をしめす表現。

 ”しずかな朝は、外は一面の雪。音がなくなるのは、雪が音を すいとってしまうから”

 おひさまが 顔を出すと、積もった雪の表面が キラキラ光ると ”ほうせきを ばらまいたみたい!”

 

 このところの各地の積雪の映像を見ると、雪国で暮らす過酷さがつたわってきます。朝おきると、雪かきをしないと、外にでることができません。雪の少ないところで生活していると、一日何回も雪かきしないと、生活が成り立たないというのは、実感がわきません。

 ところで、雪虫(じつはアブラムシ)は、北海道でみられるといいますが、ロマンチックなものではないようです。発生から初雪がふるまでの日数は、以前より遅くなっているといいます。

 春のしるしとして、木の根元の雪がとけ丸い輪ができる現象は”根開き”というようです。”根開き”は、木の温かさにあって、木は地下水を吸い上げ、その水が外の空気よりも温かいからだといいます。さらに、雪は真っ白なので、太陽の光をほとんど反射しますが、黒っぽい木は太陽光によって温められ、この熱によって、幹の周りの雪がとけて、土が見えるといいます。


おとなと絵本

2025年02月22日 | いろいろ

 少し前のNHK朝の番組で、絵本のことをとりあげていました。

 絵本の出版は、年間2000冊をこえているといいいますから、まずは数多くの絵本に出会うきっかけが必要ですが、書店の絵本コーナーはかぎられており、書店の担当者次第で並べられる数も限られそうで、これは図書館でも同様でしょう。息の長い絵本も数多くありますから、これだけ多いと触れる機会が重要でしょうか。

 話題になったものが、新聞やテレビで紹介されれば、読んでみようかとなります。
 そのほかには友人・家族からの紹介や、子どものとき読んでもらってわすれられないものが、自分の子どもがうまれたきっかけで 読んであげることもあります。

 

 かなり読んだつもりでも はじめての絵本が紹介されていました。
 「たいせつなこと」「いちわだけ はんたいに あるいたら」「ぼちぼち いこうか」は、はじめて聞きましたが、興味ぶかいもので、さっそく読んでみたいと思いました。

 ヨシタケシンスケさんの絵本も紹介されていましたが、ヨシタケさんのものは、何冊か読んでいましたので、こんな受け止め方があるのかと、あらためて見直しました。魔法のような言葉があって、その人のせなかをそっとおしてくれる、それがストンと腑に落ちるのは、おとなでなければ味わえないようです。

 ひとまわり年上の男性と結婚した24歳(たしか)の女性が、母親から賛成できないといわれて、「百万回生きたねこ」に、母親あてのメッセージをかいて、おくったエピソードも語られていましたが、気持ちが、なにかわかるようなきがしました。

 まわりに、10人いれば、それぞれちがった絵本に出会っているので、語り合ってみる機会があれば いいのですが・・・。