どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

お化けのおもてなし

2019年06月16日 | 絵本(日本)


    お化けのおもてなし/作:川端 誠/BL出版/2017年


 お化け屋敷で共同生活する面々は、ろくろっ首、一つ目小僧、三つ目の大入道、ひょろけ、一つ目の青坊主、砂かけ婆、のっぺらぼう、一つ足の傘おばけ。

 そんな、お化け屋敷に、お化け郵便がとどき、東北の座敷わらしと袖ひき小僧が、はるばる遊びにくることになりました。

 さっそく、お化け屋敷の面々は、おもてなしの準備。

 なにしろお化けの全国ネットワークはすごい。全国から食材がとどきます。
 小麦粉は大雪山の雪女、塩は鬼ヶ島産、煮干しと鰹節は伊勢の共潜(ともかかつぎ・・海女さん風)。

 まだまだあって、王子のキツネからは油揚げのお稲荷さん。魚貝は北海道の雪ん坊。

 何をつくる?

 竹林で、細めの竹一本と、太いのを三本きって、つなぎます。
 三つ目入道がつくっているのは「うどん」。
 薬味は、ショウガにすだち、大根おろし、とろろ、青ネギ。みんな屋敷の畑でとれたもの。

 料理人の小豆とぎと小豆あらいは、てんぷらを揚げて。

 ということは、流しそうめんならぬ流しうどん。

 ちょうちんおばけは、流しうどんがとれなくてうらめしそう。

 料理作りをみているだけの、のっぺらぼうは? んん、食べてもいない。 そうか口がないか。

 なによりも個性が異なる面々が、争うことなく同居しているのが、なにより。


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