まどのそとの そのまたむこう/モーリス・センダック作絵・ わき あきこ・訳/福音館書店/1983年
パパは海へ、ママは おにわのあずまや(そこでなにをしているのでしょう?)、アイダは 赤ちゃんの 子守。
アイダが あかちゃんをみないで、ホルンをふいていると、ゴブリンたちがやってきて、氷の人形をかわりにおいて、あかちゃんを かかえて でていきました。
気がついたアイダは、「ゴブリンたちが ぬすんだんだわ! およめさんにしようと おもっているのね!」と、ママのきいろいレインコートに くるまり、ホルンを ポケットに つっこみ、まどのそとの そのまたむこうへ でていったのです。うしろむきになって!
パパの声で、アイダはぐるりとまわり、結婚式の 真っ只中へ。ホルンで、みえなくなったゴブリン。たまごのからにすっぽりおさまり、ふんふんうたったり てをたたいていたのは あかちゃん。アイダのいもうとに ちがいありませんでした。・・・。
あかちゃんの誘拐がテーマで、コブリンの正体が不明と、どこか怖さが漂います。あかちゃんがいなくなってもママの存在感はまったくありません。あかちゃんを家につれかえると、パパの手紙が届いていますが、アイダは、あかちゃんだけでなくママもケアする存在。
絵はち密で写実的。黄色いレインコート、ホルンには 深い意味がかくされているのでしょうが よくわかりません。アイダがあかちゃんをつれかえる野原の小屋には、ピアノを弾く人の姿がみえます。
センダックが幼児期に受けた「リンドバーグ赤ちゃん誘拐事件」(1932年3月1日)が背景にあるといいます。