小川町の岩田古民家「やしきぼっこ」で開かれた一人芝居。
水俣病で、それまでの日常生活が失われた漁師の語りです。
水俣病の悲惨さはあまりでてきませんが、苦しみを過去の自分と重ね合わせて たんたんと語られた芝居でした。
高度成長時代、経済のためならば何でもまかり通る時代でしたが、その反面、塗炭の苦しみを味わう人々もいました。
いま「公害」という言葉はあまり聞かれなくなり、被害の実態が忘れかけていますが、地球温暖化など、自然と人間のかかわりが別の意味で問われています。
じつは、水銀の影響を受けている、と認められた人は8万人程度いるとされていますが、「水俣病患者」と認められた人は、二千人ちょっといいます。(2021年6月時点)
同じ症状を持っているのに、水俣病と認められない人たちがいるというのは、水俣病はまだおわっていないのかもしれません。
18時にはじまり、70分の芝居でした。日の暮れるのが遅くなったとはいっても、照明がなく室内はだいぶ暗いまま。後半に小さなスポットライトのあかりがありましたが、大半はロウソクのあかりだけ。
これまでの上演記録を見ると、上演場所は少人数のところで、今回も20人ほどでした。
もう少し照明に工夫があってもよさそうに思いましたが、内容からすると、こだわりの薄暗だったのでしょうか。