どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

大造じいさんとガン

2017年01月03日 | 創作(日本)
 椋鳩十が1941年に発表した作品で、小学校国語教科書に長くのっているので、どこか記憶にのこっている方も多いのではないでしょうか。
 残念ながら自分には記憶にはありません。

 ガンの群れを統率している残雪とよばれるガンと猟師の大造じいさんとの友情めいたストーリーです。

 残雪が群れを率いるようになってから、一羽のガンも仕留められなかった大造じいさんは、手をつくしてガン猟にいどみます。
 つり針をしかけて、一羽のガンをつかまえることに成功しますが、その後はうまくいきません。

 二年後、つかまえたガンをおとりにつかって、残雪の仲間をとらえてやろうと考えます。
 いつものように、残雪を先頭にやってきたガンの群れ。
 大造じいさんが、銃をかまえてみがまえた瞬間、ガンは飛び去ります。ハヤブサが一直線におちてきたのです。
 逃げ遅れたのは、二年のあいだ飼いなされていたおとりのガン。

 おとりのガンがハヤブサに攻撃されそうになったとき、あらわれたのは残雪でした。このときだったら残雪を仕留めることができたかもしれません。
 しかし、仲間を救おうとハヤブサに対峙する残雪を打つことをためらいます。

 残雪とハヤブサの激しいたたかい。人間の姿をみるとハヤブサは飛び去っていきます。

 大造じいさんは、傷ついた残雪を手当てし、翌年の春には、放してやります。

 仲間を救おうとした残雪に敬意を覚え、「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。なあおい。ことしの冬も、仲間を連れてぬま地にやってこいよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」とよびかけた大造じいさんでした。


 小学校の授業では、大造じいさんと残雪のこれからの戦いの展開について、議論させているようですが、多分その必要はないと思いました。

 猟師にとっては、猟はかくことのできない営みですが、やみくもに何でもいいというわけでもないし、一定のルールはあったはずです。

 なお、いまはガン猟は禁止されているということです。

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