だんだんやまのそりすべり/あまん きみこ・作 西村 繁男・絵/福音館書店/2002年
みんなと、だんだんやまへそり滑りにいったいっちゃんですが、そり滑りは苦手。
はじめがなかなか踏み出せなくて、他の子が声をあげて、すべりおりていったのをみて、はなのおくが つーんとして、めもとがあつくなったいっちゃん。
こきつねのいっちゃんも、みんなからとりのこされて、はなをすすり上げる音。
こんなとき仲間がいれば心強い。
「いずみ」の「いっちゃん」、こぎつねの「いちろう」の「いっちゃん」は一緒に稽古をしようと、そりですべりはじめ、途中でそりがひっくりかえりゆきまみれ。ゆきまみれの顔をみて笑い出し、楽しくなって雪の中をころころ。
ところが、こぎつねのそりがからのまま すべりだします。
そのあとを、いっちゃんのそりに二人がのって、すべりおりると、ひゅうひゅう ぴゅうぴゅう すべるすべる そのままふもとまで。
やってしまえばなんとかなるもの。
特別おおきなできごとがおこるわけでもないのですが、はじめの一歩がなかなか踏み出せなくて一人取り残されて、さびしさを思える子どもの心情がよくでています。
はじめの一歩が踏み出せないでいる子どもの背中をおしてくれくれそうです。
マフラーをして、着こんでいる動物の表情や、だんだん山のゲレンデにいるいっちゃんたちを探す楽しみもあります。
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