わがはいは のっぺらぼう/富安陽子・文 飯野和好・絵/童心社/2011年
「わがはいは のっぺらぼうで あーる」とはじまります。朝はすきなだけ寝坊し、歯磨きなんて不要と のっぺらぼうの気楽な一日。
つるつる ぴかぴかの 顔が命の のっぺらぼうの朝は、まず、とくせいのヘチマすいで 顔をよくあらい、とくせいの キュウリ・パック。
そのあとは 「のっぺらふで」一本をつかいメイクで化け放題。今日は、とぴっきりのべっぴんさん。
かつらをかぶって着物を着こんで、帯を締め 顔に描いた口で食事。大好物は、はんぺんステーキ、とうがんのスープ、キュウリの すのものとおぼろどうふ。それから マショマロ。
おばけの仕事は 人間を 驚かすこと。そろそろ 仕事の夕暮れ。
町はずれの くらーい 四つ辻で 人間がやってくると 顔の化粧を落とし いち、にい、の「バアッ!」と飛び出すと 「ギャー!!」
なにがおきた?
文章の語尾が「あーる」と軽快なテンポですすみます。
最初の場面は、大きな のっぺらぼうの顔(頭?)が ページいっぱい。そのあともページいっぱいの顔が続きます。
のっぺらぼうには 耳があるんだと 気がつき メイクは 「のっぺらてぬぐい」で ごしごし ふくと いくらでも 書き直し ができる便利さに羨望。
新型コロナ、インフルエンザ流行の折、口も鼻もないと、ウイルス潜入をガードできると、思い当たり、やたら人間のマネをすべきでないと、のっぺらぼうに 忠告もうしあげるのであーる。
最後、行水の場面では、河童、カメ、カエル、カタツムリ、そしてみたことのない妖怪がでてくるところにも注目です。