鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

カモカモエブリバディ

2021年12月16日 | カモ類

地元の池のカモ事情。(タイトルには、何の意味もありません。)

いつもは留鳥のカルガモしかいない地元の池に、毎秋渡り鳥のカモたちがやってきて賑やかになる。

その賑やかさが、少しずつ様変わりしてきているようだ。

ヨシガモ

秋になって一番早く現れたのは、ヨシガモ。9月上旬のことだった。2019年、2020年も同じく9月上旬に現れたが、長居はしなかった。今年は、いなくなったり現れたりを繰り返しながら11月までは見られたが、今はまたいなくなっている。

そもそも、今年びっくりしたのは、7月半ばに現れたことだった。

昨年、近くの河川部に繁殖羽になったヨシガモが長いこと見られたことなどから、渡らずに残留した個体だったのかもしれない。今年もどこかに逗留している可能性がある。

オカヨシガモ

オカヨシガモも、2019年ごろから安定して居つくようになった渡りのカモだ。今年も数個体いついている。

ヒドリガモ

ヒドリガモも以前は地元の池では珍しいカモで、ほとんど居つかなかった。何羽かまとまって現れたときは、近隣の池がかいぼりされているので、そこから避難してきたのではないかという話もあったくらいだ。それが今年は30羽を数える日もあるくらい増えて逗留している。

ヒドリガモを惹きつける魅力がある池になったのだろうか。

ホシハジロ

ホシハジロも、かいぼり前は1~2羽キンクロハジロに混ざっている程度だったが、年々増えて、時期によってはキンクロハジロを凌駕する数になるときもある。

ホシハジロのメス

水草を食べるホシハジロ

つまり、ヨシガモ・オカヨシガモ・ヒドリガモ・ホシハジロなどが、かいぼり後に多く飛来するようになったカモたちだと言える。

 

キンクロハジロ

私が地元の公園で鳥見を始めたころ、冬のカモと言えばキンクロハジロだった。一番早く飛来し、一番数が多く、一番遅くまで残っていた。餌やりが盛んに行われていたころは、餌にこぞって集まる姿が目立っていた。水草が生えるようになって、潜って餌取りする姿も見られるようになったカモだ。

ハシビロガモ

オナガガモ

水草を食べるエクリプスのオナガガモ

マガモ

そろって逆立ち採餌するマガモのペア

ハシビロガモ・オナガガモ・マガモは、かいぼり前からいつも何羽か飛来していた水面採餌型のカモたちだ。しかし、当時は採餌する餌がほとんどなく、やはり餌やりに依拠することが目立っていた。オナガガモなどは、餌やりが自粛されるようになると、ちゃっかり動物園の飼い鳥の餌を失敬することもあった。今ではちゃんと水草をとっている。

コガモ

その昔は、コガモが池の主流だったこともあったそうだが、今ではめったに池には現れない。池に続く河川部に居ることが多いカモだ。まだまだ池はコガモにとっては住みやすい場所にはなっていないらしい。

 

餌やりが盛んに行われていたころのカモたち(2004年)

 

このように餌やりに依拠していた時代からかいぼり後に水草が生えてきた時代へと池の環境が変わり、カモたちの行動にも変化ができ、種類も増えてきたと思う。

しかし、今池に生えている水草はほとんど外来種のコカナダモになってしまった。これからまたどんな環境になるのか、それがカモ相にどんな影響を与えるのか、未知である。

ところで、餌やり時代から主流だったかもたちは、どちらかと言えば人慣れしていて、ボートのそば、岸のそばにも平気でやってくるが、新参のカモたちは、なんとなく池の中央にいることが多いように思う。

 

 

 


池の冬鳥たち 2020

2020年12月22日 | カモ類

この秋、地元の池に最初に渡ってきたと思われるカモは、ヨシガモだった。9月上旬のことだった。

▲ヨシガモ

ヨシガモは、例年9月に池に飛来し、せいぜい1週間ほど滞在するといなくなる。渡りの最終目的地ではないということらしい。この秋はいつもより長めに居ついたが、やはり月末にはいなくなる。きれいな繁殖羽になったヨシガモを地元で見たいというバードウォッチャーの願いはいつも叶わない。

9月も中旬を過ぎると、コガモ・キンクロハジロ・ヒドリガモなどが次々と飛来し始めた。

▲繁殖羽になりつつある11月のヒドリガモたち

ヒドリガモも以前は短期滞在だったが、昨年はほぼ一冬過ごした。今年もそうなるのではないかと期待していたが、なんときれいに羽に変わったころ、いなくなってしまった。

▲コガモ

コガモは、例年池にはあまり居つかず、河川部にいることが多い。しかし、その河川部にもあまり多くはいないようだ。

▲繁殖羽に変わったコガモの♂(♀とペアでいた)12月中旬

▲マガモの♂

▲マガモの♀

マガモは、現在も池に残っている数少ない渡りのカモだ。

▲キンクロハジロ

▲ホシハジロ

キンクロハジロは地元の池では一番多い冬ガモなのだが、ここのところホシハジロも増え始め、昨年は数が逆転しそうな時もあった。今年もホシハジロが群れで現れたときは、また多くなるのかと思ったが、なんと今現在ほとんどいなくなってしまった。

▲メジロガモ雑種

昨年地元で話題になったのが、このメジロガモの雑種。今年も現れた。たぶん、ホシハジロとともに行動しているのだと思う。そして、今年は早々に居なくなってしまった。

▲ハシビロガモ

ハシビロガモも、嘴を出して泳ぐ姿を撮る機会もないまま、短期滞在に終わる。

オナガガモも飛来したが、写真を撮る機会もないままいなくなる。

トモエガモのメスも飛来したようだが、見る機会もなかった。

また、オシドリが3羽池の上空を旋回したそうだが、池に降り立つことはなかったらしい。

というわけで、今年の池の冬鳥はまことに寂しい状況だ。

今年、池は珪藻類が増えたために茶色く濁ったこと、外来種のコカナダモが大繁殖して今まで生えていた在来の水草を駆逐し、そのコカナダモを除草したため、水草が減ったことなどが原因かと推測されるが、あくまで推測。

寂しいので、ちょっと賑やかな動画を貼っておく。ただ、水鳥たちが泳ぎ回るだけの動画だが。

木の実の落下を待つ水鳥たち


冬のカモたち2019~2020⑥ ハシビロガモ

2020年02月09日 | カモ類

ハシビロガモが地元の公園に飛来したのは、年が明けてからだ。

▲ハシビロガモの繁殖羽オスとエクリプスのオス(1月3日)

▲メスではないかと思われる個体

▲水面採餌するオス

▲休憩中のメス

今池では潜水ガモ(キンクロハジロやホシハジロ)がちょっと少なくなって、ハシビロガモが増えた。現在は3ペアぐらいが常駐している。

理由はよくわからないが、潜って採れる水草が食べつくされてきて、逆に水面に浮く餌が増えたのだろうか。

有名がハシビロガモのぐるぐる回り採餌を動画で撮ってみた。(逆光だったのが失敗)

https://www.youtube.com/watch?v=8AjJQ15fL8M

アラスカでは、ハシビロガモの雛も見た。

▲アラスカで見たハシビロガモの雛

雛というには少し大きくなりすぎている。

生まれたての雛も、こんな嘴なのかどうか見たかった。

 

ついでに、アラスカのカモの雛を。

アメリカヒドリ

コガモ

オカヨオシガモ

スズガモ

コスズガモ(日本ではあまりおなじみではない)

クビワキンクロ(遠い)

アラスカで見たカモたちはほとんど子育て中のメスばかりで、識別が難しかった。間違っているかもしれない。

 

 

 

 


冬のカモたち2019~2020⑤ キンクロハジロとホシハジロ他

2020年02月08日 | カモ類

キンクロハジロは、地元の池で一番多く見られる冬のカモだ。

▲渡ってきたころのキンクロハジロはエクリプス状態(10月11日)

▲10月の群れ

▲群れ

▲キンクロハジロの雌雄

▲キンクロハジロの「羽白」

今年も10月に入って飛来し、月を追うごとに数を増していって、1月に入って70羽ぐらい見られる日もあった。

しかし、ここのところ少し数が減ってきている。

昨年も1月に70羽いたのに、2月には6羽に減ったことがあった。

カモたちは同じ池に常駐するわけではなく、日替わりメニューで近場の池を行き来していると思われるが、それにしても急な減りようだ。

まだ、渡りが始まったわけでもないだろうが、それでも少しずつ北へ戻り始めているグループと、南から戻ってきているグループがあるのではないかと考えたりもする。

あと、嘴に釣り針が絡んでいる個体がいて、野鳥観察者たちが心配し、レスキューするという事件があった。

▲針が刺さって変な動作を繰り返していたキンクロハジロ

▲野鳥観察者が発見し、ボート小屋の方が網で捕まえてくれて、針を外すことができた。

この冬の特徴は、ホシハジロが多いことだった。

日によっては、キンクロハジロと半々ぐらいの割合だった。これは地元の池では珍しいことだ。

▲ホシハジロのオス(潜ったあとなのか、背中にイトモがついている)

▲ホシハジロの正面顔

▲ホシハジロのメス

▲おっとりした正面顔

▲潜る

▲イトモを加えて浮上

▲イトモをくわえたままでカキカキ

▲のんびり休憩

 

みな盛んに潜っては水草(イトモ)を食べていたように見えるので、近所のカモたちで評判になっていたのかもしれない(笑)。

今年はもう1種、変わり種の雑種が飛来してきたが、それについてはもう少し観察を重ねてからレポートしたい。

 

キンクロハジロが渡ってきたとき、中にスズガモっぽい個体が混ざっていた。

スズガモもメスは嘴の付け根あたりが白いのだが、たまにキンクロハジロのメスでも白いくなっている個体がいるので、いつも論議を呼ぶ。

 

いろいろ調べ合って、やはりスズガモだろうということになった。

このスズガモもしばらく滞在ののちいなくなった。

つづく


冬のカモたち 2019~2020④ マガモ編

2020年02月06日 | カモ類

マガモは10月半ば過ぎに飛来。

▲ほぼ繁殖羽になったマガモのオス

▲マガモのメス。かなり地味。嘴が少しオレンジ色をしている。

ある日ペアが仲良く泳いできた。

▲ディスプレイをするオスと、受け入れ態勢のメス

▲そこへもう一羽のメスが。

▲邪魔をする。

▲まだペアは確定していないようだ。

別の日には、水から上がって休む2羽

▲右のメスは、嘴が見えないのではっきりしないが、カルガモのように見える。

マガモとカルガモは、よく交雑することがある。

▲昨年の7月に見た交雑種、マルガモ。

カルガモとマガモはDNAを調べても違いがないほど近縁なのだそうだ。

しかし、今年遺伝子を調べたら、わずかな違いがあることが発見されたともいう。

「http://www.donga.com/jp/article/all/20191105/1893368/1/マガモ・カルガモ「遺伝子の身分証明書」ができた」

そのほんの少しの違いが、オスをきれいな色に変え、渡りをするという習性をもたせていると思うと、不思議だ。

そして、カルガモはなぜ、渡りをやめ、オスがメスと同色になったのか。

さらに、交雑が起こるわけは何なのだろうか。

いろいろ考えると面白い。

ところで、昨年の夏、アラスカでマガモの雛を見た。

▲大きくなりすぎて雛とは言えないか。

▲こちらは親鳥が近くにいないので確証はないが、マガモの雛だと思う。

▲こちらは地元のカルガモの雛(2014年)

▲そして親がマルガモの雛(2010年:画質悪し)

過眼線の入り方などが微妙に違うように見えるが、個体差かもしれない。

観察していると、いろいろな妄想が沸き起こるカモである。

つづく