近年、ヤマガラは地元で繁殖し始めて、通年見られるようになってきている。
ヤマガラの特徴的な習性の一つに貯食がある。
貯食は、秋にまだ餌が豊富な時期に、それをすぐに食べないで隠しておき、餌が足りなくなった冬に食べる習性だ。
▲エゴノキの実をくわえて目の前に現れたヤマガラ(昨年の10月下旬)
▲気に幹の割れ目などを点検して、実を隠そうとしている。この時は気に入らないようで別のところへ持ち去った。
▲地元の公園には鳥の餌を撒く不心得な人がいる。ヤマガラは目ざとくひまわりの種を見つけた。
▲見つけた種をその場で食べてしまう時もあるが、樹の幹や根元に隠す時もあった。
▲埋めててあったエゴノキの実を掘り出すヤマガラ(過去の写真。2月)
以前は、ヤマガラは隠しても忘れてしまうことが多いと説明する人もいたが、現在ではそんなことはなく、98%回収されるという報告もある。
つまり、貯食をする鳥は、人間の想像以上にどこに何があるかという「認知地図」が発達していると言われている。忘れないように時々掘り返して移動させることもあるらしい。
貯食する野鳥は、ヤマガラ以外にコガラ・ヒガラ・ゴジュウカラなどのカラ類や、ホシガラス・カケス・ハシブトガラス・ハシボソガラスなどが知られている。どちらかと言えば、山の鳥たちが多い。山の冬は餌が乏しくなりやすいので、貯食は生存のために有効な習性だ。
そして、カケスやヒガラなどは、山の実りが少ないときは、貯食があまりできないので、里に下りてくる。(と言われている)
▲昨年ヤマガラが繁殖した地元の巣(4月15日)
▲地元で巣だったヤマガラの雛(過去写真)
同じカラ類でも、シジュウカラは、貯食をしなくても食べ物にありついている。冬鳥たちは、冬でも餌にありつけるから地元に渡ってきているわけだから、ヤマガラが里に通年住み着くようになったら、貯食はあまり必要なくなるのではないだろうか…なんて妄想してみる。
ヤマガラ(山雀)は、そのうちサトガラ(里雀)になったりして(笑)。
※ただしヤマガラと言う名前は、山にいる雀ではなく「山吹色のお腹のカラ(類)」と言う意味だそうです。