地元のカイツブリの繁殖は、8月上旬に2羽の雛が誕生して以降、今のところ新たな営巣の気配はなく、一段落したようだ。(秋にまた繁殖をし始める例もあったが。)
今年もたくさんのペアが繁殖を試み、私が把握しているだけでも58羽の雛が孵った。(把握しきれないものが多々ある。)後年振り返ることができるように、記録を残しておきたいと思う。
地元の池は3区画に分かれている。ボート池・弁天池・お茶の水池だ。
先ず、ボート池の例から。
ボート池は名前の通り、ボート営業がされているいる池なので、営巣しにくい区画だ。
しかし、この池がかいぼりされたとき、水抜きポンプなどが設置された場所のフェンスが今も残っていて、ボートが入り込めない一角(池尻)がある。第1回かいぼり後、真っ先にこの一角で営巣を始めたペアがいた。以来、毎年必ず営巣が試みられている。
この区画の問題は、しかし、安定した巣を作る場所がないことだ。ここのペアは、水面に垂れ下がった木の枝に巣材をかけて営巣せざるを得ない。巣は流れやすく、また水位が下がると跳ね上がってしまうリスクがある。
▲2022年1月28日 すでにここで営巣する気満々のペア
営巣場所はなかなか決まらず、あちこちで作ってみては流されたり放棄したりを繰り返したのち、桜も散ったころ、やっと産卵・抱卵に入った。
▲2022年4月19日 抱卵中
しかし、いよいよ孵化かと思っていた日、卵は襲われてしまう。私は見ていないので伝聞情報だが、スッポンに襲われたらしい。
その後、ペアは営巣を諦めてしまったように見えたが、6月に入って再び営巣を始めた。池の真ん中あたり、完全な浮巣である。このころコカナダモが大繁茂し、巣を下から支えているので、流されることはないようだった。
▲2022年6月7日 浮巣で抱卵中。卵は5個。
そして、雛は5羽とも無事に孵った。
▲2022年7月1日 このころ異常な猛暑に見舞われ、親も必死で雛たちを熱から守っていた。
ペアは、雛たちを2羽と3羽に分けて分担して連れ出し、子育てしていた。
▲7月17日 雛たちはすくすくと育つ。
雛がある程度育つと、多くのペアは2番子3番子と営巣を始めるのだが、このペアはその気配はまったくない。
いつまでも雛の面倒をみている。そのため、つい最近も5羽の雛が順調に成長しているのが見られた。
▲8月22日の雛たち。5羽とも無事。
ボート池では、他所でも営巣を試みたペアがあったが、ほとんどは失敗している。
ただもう一組、意外な場所で営巣したペアがいた。
▲なんとボート小屋の床下で営巣 3月16日
このペアの様子は、写真が撮りにくく、観察のみ。5個の卵を産み、5羽とも孵った。
しかし、ちょうどその時、大雨が降って水位があがり、巣そのものは流れてしまう。巣を失った雛たちのうち、最後に孵った1羽は、その後溺れてしまったと聞く。
一家は4羽の雛を連れて隣の区画、弁天池へ移動した。
ということで、ボート池では10羽の雛が孵化したことになる。