鳥見雑記帳

庭や近所の公園で観察した野鳥についての雑記帳

カイツブリ2020 備忘録④

2020年10月19日 | カイツブリ類

ボート池エリアは、営巣にふさわしい場所が少ない。抽水植物もないし、何しろボートが近くまで来るので、巣が壊される可能性が高いのだ。

それでも、ボートが入れない一角があって、そこでは2014年の最初のかいぼり以来、ずっと営巣が続いている。

今年度は、そのエリアで激しい縄張り争いが始まった。3月21日のことだった。

その後なかなか営巣は始まらなかったが、5月上旬、2か所で巣作り抱卵が始まる。

1つは、たぶん縄張り争いで勝ったペア(Dペアと呼ぶ)で、ボートの入らないエリア、もう1つは、以前営巣したが、ボートの被害にたびたびあってきた場所を選んだペア(Eペアと呼ぶ)だ。

 

Dペアは、縄張り争いに勝ったにもかかわらず、なかなか営巣を始めなかった。水面に浮かぶ桜の枝に巣材をひっかけて作る方式だったが、あっちに作ってみたり、こっちに作ってみたり、雌雄の気持ちがなかなか一致しない。

▲桜も散った4月6日、相手の背中に巣材を載せる?

▲水面に出る桜の細い枝にイトモをひっかけた巣で交尾(5月3日)

▲それでも5月7日には卵が1つ

▲5月7日には卵が2つ。9日には3つ。

順調にいけばそろそろ雛が孵ると思われる頃、異変が…。

▲卵がない!(5月22日)

▲あわててまた交尾をしたり、他の場所に巣材を運んだり。

▲3度目の巣は、卵を4つ載せたまま流れる。

▲再挑戦  7月2日

何度巣作りしても、もう少しで孵るかと思われる頃、卵が無くなる。

そして、その原因は、やはりアオダイショウだった。

▲巣に乗るアオダイショウ

その後、このペアは何度も巣をつくるが、卵を1個産むとすぐにアオダイショウに襲われ、また挑戦するという繰り返しを10回近く行った後、ついに営巣を諦めた。卵は総計20個は産んだと思われるが、すべてアオダイショウのお腹の中に入ってしまった可能性が高い。アオダイショウもすっかり味をしめ、卵を産むのを待っていたかのようだった。

こうして、2014年からずっと営巣が続いたこの場所で、初めて雛が1羽も孵せない年になってしまった。

ペアが代替わりをして経験が浅かったからなのか、単に不運だったのか。来年この場所で営巣するペアはいるだろうか。

 

 


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