譲渡見えず厚労相いら立ち 自主存続は今後も認めず
2016年10月20日 (木)配信共同通信社
アステラス製薬が化学及(および)血清療法研究所(化血研)からの事業買い取り協議を打ち切り、塩崎恭久厚生労働相は「化血研への不信感の表れ」といらだちをあらわにした。血液製剤の未承認製造などを問題視する厚労省は、引き続き事業譲渡を強く求める構えだが、新たな交渉先は「現時点で全くの白紙」(幹部)という。
化血研とアステラス製薬はもともと5月上旬までの合意を目指していたが、熊本地震の影響のほか、条件面でも折り合わず交渉は難航。関係者によると、化血研は9月の厚労省との会合で譲渡に慎重な意見を伝えたといい、協議の先行きが見えない状況になっていた。
塩崎氏は以前から、未承認製造問題を「製造販売業の許可取り消しに相当する極めて悪質な行為を続けてきた」と強く批判。「今の組織のままで製造販売することはない」「事業譲渡するよう指導している」と繰り返してきた。
化血研の理事からは「化血研は力がある組織で重要な薬をつくっている」と自主存続を望むかのような発言も聞かれるが、塩崎氏は「従業員の雇用を守るには事業譲渡しかない」と言い切り、厚労省は今後、別の製薬企業と譲渡交渉を進めるよう指導を続ける構えだ。
だが交渉先の選定や売却条件の協議にはかなりの時間がかかるとみられ、省内からは「これからどうなるのかまったく見通せない」と戸惑いの声も上がっている。
2016年10月20日 (木)配信共同通信社
アステラス製薬が化学及(および)血清療法研究所(化血研)からの事業買い取り協議を打ち切り、塩崎恭久厚生労働相は「化血研への不信感の表れ」といらだちをあらわにした。血液製剤の未承認製造などを問題視する厚労省は、引き続き事業譲渡を強く求める構えだが、新たな交渉先は「現時点で全くの白紙」(幹部)という。
化血研とアステラス製薬はもともと5月上旬までの合意を目指していたが、熊本地震の影響のほか、条件面でも折り合わず交渉は難航。関係者によると、化血研は9月の厚労省との会合で譲渡に慎重な意見を伝えたといい、協議の先行きが見えない状況になっていた。
塩崎氏は以前から、未承認製造問題を「製造販売業の許可取り消しに相当する極めて悪質な行為を続けてきた」と強く批判。「今の組織のままで製造販売することはない」「事業譲渡するよう指導している」と繰り返してきた。
化血研の理事からは「化血研は力がある組織で重要な薬をつくっている」と自主存続を望むかのような発言も聞かれるが、塩崎氏は「従業員の雇用を守るには事業譲渡しかない」と言い切り、厚労省は今後、別の製薬企業と譲渡交渉を進めるよう指導を続ける構えだ。
だが交渉先の選定や売却条件の協議にはかなりの時間がかかるとみられ、省内からは「これからどうなるのかまったく見通せない」と戸惑いの声も上がっている。