日々

穏やかな日々を

島根県のローカル病院の敷地内喫煙問題

2016年10月07日 20時09分21秒 | タバコ

ブログ記事の紹介

東京日和@元勤務医の日々
skyteam200.exblog.jp
診療報酬返還2000万円!禁煙が当たり前に>病院で働く医師や看護師さん

 島根県のローカル病院が今、注目を浴びてしまっています。元はと言えば、禁煙外来を設けて4年半。だのに職員が、禁煙外来の開設の条件の敷地内禁煙を守れていなかったことです。

 昭和の時代なら職場でいくらタバコを吸っても問題がなかったのですが、今や喫煙ができるオフィスは圧倒的に少なくなりつつあります。受動喫煙の問題もありますが、さらに医療機関では喘息や肺気腫などの呼吸器疾患の患者さんに禁煙を指導する場でもあるので、当然といえば当然ですが・・・。

 結果として思わぬ余波が。塩崎厚労大臣もお怒りです。外来がなくても敷地内禁煙は病院機能評価などでも求められていますし、他にも「入院栄養食事指導料」「がん治療連携指導料」とか様々な指導料の基礎になっていたので、病院にとっては禁煙外来以外の収入も返還を求められ、しかも今後は病院の職員が病院内の敷地内で喫煙するようであれば、再度取り下げになること。

 つまり、病院で喫煙をするなということです。オフィスワーカーならちょっと外に出てが可能ですが、白衣姿での喫煙や近所のコンビニまでが遠い(案外これが多い)など問題があるので、最初から喫煙者の医療従事者を雇うことがリスクになります。

 大学病院でも同じですが、新人の研修医や看護師さんはちょっとまで医学生や看護学生だったら学校で授業がない時は、いくらでも吸えたのに今後はそういうことは許されなくなります。

 ようは、最初から「「吸わない」習慣を持った職員でないと、解雇はないにせよ、働く病院側には迷惑になります。そういう意味で、医療機関で従事する勤務時間内は吸わない方が・・・ではなく、学生時代から吸っちゃうと就職の時に嘘はつけないし、吸えばやはり指導を受けるので、やめておきましょうね。

 もちろん、患者さんも吸わない方がいいです。東京オリンピックを前に、禁煙ゾーンが広がるので、様々な点で、不都合が生じます。昔は良かったな・・・でしょうが、そうも言ってられないし、タバコの税金も上がっていく一方なので、喫煙というのはかなり厳しくなる見込みなので、今、医学生や看護学生、あるいは医学系に就職しようと考えている方、あるいは勤務中の方は是非念頭においてもらいたいですね。

【島根】 禁煙外来ある病院、職員ら敷地内で日常的に喫煙
読売新聞 2016年10月2日
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【島根】禁煙外来病院で喫煙、4年半分の診療報酬返還へ 島根
朝日新聞 2016年10月2日
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【島根】塩崎厚労相「とんでもない話だ」 禁煙外来病院の喫煙問題
ZAKZAK 2016.10.04
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20161004/plt1610041830006-n1.htm
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【島根】禁煙外来病院試算 喫煙の「代償」 返還2000万円 診療報酬5年分
読売新聞(大阪) 2016年10月05日





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塩崎厚労相「とんでもない話だ」 禁煙外来病院の喫煙問題

2016年10月07日 19時53分27秒 | タバコ
塩崎厚労相「とんでもない話だ」 禁煙外来病院の喫煙問題
2016.10.04

 禁煙外来を設けている島根県江津市の済生会江津総合病院の敷地内で職員らが喫煙していた問題を受け、塩崎恭久厚生労働相は4日の記者会見で「とんでもない話だ。診療報酬の返還を含めて厳正に対処していく」と述べた。

 塩崎氏は、受動喫煙防止に政府全体で取り組んでいると強調した上で「肝心要の病院で(ルールを)守っていなかったのであれば極めて遺憾だ。医療に関係する人たちの意識をしっかりとつくり変えてもらいたい」と話した。

あえていいます。日本人の恥です。
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RSウイルス感染症が流行期入り…重い肺炎や気管支炎

2016年10月07日 09時16分56秒 | 医療情報
RSウイルス感染症が流行期入り…重い肺炎や気管支炎
臨床 2016年10月5日 (水)配信読売新聞

 乳幼児に重い肺炎や気管支炎を引き起こす「RSウイルス感染症」が流行期に入り、国立感染症研究所が注意を呼びかけている。
 感染研が4日発表したまとめによると、9月19~25日に全国約3000の小児科から報告のあった患者数は4204人。同時期の比較では、現在の集計方法となった2011年10月以降で最多となっている。
 RSウイルスは、患者のせきやくしゃみなどの飛まつを吸い込んだり、ウイルスの付いた物を触ったりしてうつる。4~6日の潜伏期間を経て発熱や鼻水などの症状が表れる。生後6か月以内の乳児などで重症化しやすい。治療は水分補給と呼吸の管理など対症療法が中心だ。
 感染研の木村博一・感染症疫学センター第6室長は「大人が軽い風邪の症状を感じたら、乳児やお年寄りにうつさないよう注意してほしい」と話している。
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MERSウイルス感染症、韓国流行をうけて

2016年10月07日 09時12分54秒 | 医療情報
MERSウイルス感染症、韓国流行をうけて
オピニオン 2015年6月10日 (水)配信木村盛世(医療法人財団 綜友会 医学研究所所長)

 MERS(Middle East Respiratory Syndrome Corona-virus:中東呼吸器症候群が韓国の医療機関で流行しています。あまり聞きなれない名前ですが、2012年にサウジアラビアで初めてみつかった、新しいウイルスで、2002年から2003年に流行したSARS(重症呼吸器症候群)と同じ、コロナウイルスというグループに属します。
 2012年から2013年には、中東を中心に、世界で流行しました。その際、中東からの滞在者からの感染がほとんどでした。ラクダの感染症と考えられていましたが、2013年にフランスとイギリスでの症例については、限局的なヒトヒト感染によると報告されています。ヒト、ラクダの他、ブタ、コウモリなどでも感染が確認されていますが、何分新しいウイルスですので、不明なところも多いのが現状です。MERS ウイルスの生体外での安定性については、低温で低湿度の場合、48時間程、安定性(生存性)が持続するとの報告があります。
http://www.eurosurveillance.org/images/dynamic/EE/V18N38/art20590.pdf
 典型的なMERSの症状は、発熱、咳で、下痢などの消化器症状もみられます。重症化すると、肺炎、敗血症、臓器不全(特に腎不全)などを併発し、命を落とすこともあります。乳幼児、高齢者、また、糖尿病、慢性肺疾患、がんなどで免疫能が落ちている人は重症化しやすいので、注意が必要です。WHOによれば致死率は27%程度ということです。
 前述したとおり、2012年に発見された新しいウイルスですが、今までの知見に関してまとめてみたいと思います。
 もともと、通常のコロナウイルスは、決して人に感染しやすいウイルスではありません。それはMERSウイルスに関しても同様です。しかし、今回の韓国の例からわかるように、医療機関内では、ヒトからヒトへの感染が、一般集団と比して起こりやすいことはあきらかです。それは、医療施設内には免疫能が落ちた患者さんがいるからで、こうした状態の人は容易にウイルスのターゲットになりやすいからです。過去の報告でも、 一部の小児肺炎ではその原因ウイルスになっているとされており、乳幼児についての注意喚起も必要なところです。
http://www.biomedcentral.com/content/pdf/1471-2334-12-267.pdf
 それでは、同じコロナウイルスであるSARS とは、広がりやすさ、重症化しやすさにおいて、異なっているのでしょうか。2002年~2003年のSARS流行から、風邪症候群を引き起こすウイルスと同じように飛まつ感染という形式で広がりを見せることがわかりました。飛まつ感染とは、咳やくしゃみなどの”しぶき“内にあるウイルスが、他人の口や鼻の粘膜から入り込み、ウイルスが増殖をはじめることです。この感染症式に関しては、MERSウイルスもSARSウイルスも同じです。重症化のしやすさを示す一つの指標である致死率は、SARSが9.4%と報告されていますので、MERS の方が現状では高いことになります。
 MERSは、ヒト、ブタそしてコウモリ等の間で、種を超えて容易に感染することが明らかにされており、SARSのコロナウイルスが、流行時にすでにコウモリに対する感染力を失っていたことと比較し、この点で大きな違いがあります。何を意味するかというと、仮にヒトでの流行が収束した後でも、他の動物の間で感染が受け継がれ、数年を経て、再度、ヒトに感染する可能性があるということです。
http://mbio.asm.org/content/3/6/e00515-12.full
 それでは、ヒトへの広がりやすさはどうでしょうか。
 医学雑誌The Lancetの2014年1月号に掲載された論文では、MERS ウイルスが、患者1人が感染させる強さ(Reproductive number、Ro)は、0.8~1.3価の範囲内であり、1価(1人の患者が、別の1人に感染させる力価)を大きく上回ることはないと結論付けて、感染力がそれ程強くないと評価していました。この値はSARSもほぼ同様と報告されています。
http://www.thelancet.com/pdfs/journals/laninf/PIIS1473-3099(13)70304-9.pdf
 しかし、2014年12月に発表された論文では、Roについて、もう少し高めの評価となっており、致死率も考慮すると、SARSウイルスに匹敵するか、もしくは、それ以上広がりと重症化を想定する必要があると結論されています。
http://currents.plos.org/outbreaks/article/obk-14-0037-estimation-of-mers-coronavirus-reproductive-number-and-case-fatality-rate-for-the-spring-2014-saudi-arabia-outbreak-insights-from-publicly-available-data/
 また、MERSの場合の感染拡大の場としては、今回の韓国での流行と同様、医療機関での患者との接触、医療従事者を介した感染というのが、今までの例でも指摘されています。それ故、我が国でも、医療機関での感染拡大に関して、十分に備える必要があります。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1408636
 現状の対策下では、検疫所による水際強化が主ですが、以上の知見を見る限り、国内発生に備えて、医療機関に対する注意喚起の徹底など、国内体制の構築を早急に進める必要がある事を、痛切に感じます。
※本記事は、2015年6月9日の『木村盛世のメディカル・ジオポリティクス カフェ』で発表した内容を、編集部でタイトルとレイアウトのみ変更したものです。
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