iPSを3次元培養、生体類似のプレート開発 京大グループ
2016年10月17日 (月)配信京都新聞
ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を3次元培養できるプレートを、京都大物質―細胞統合システム拠点の亀井謙一郎准教授や陳勇教授らのグループが開発した。iPS細胞から目的の細胞を作る研究などに役立つ成果で、ドイツ科学誌で15日発表した。
iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)などの多能性幹細胞の培養では、容器の底面に接着させる2次元的な方法が多く用いられているが、生体内の環境とは大きく異なるため、狙った細胞を作製しにくかったり、できた細胞の品質にばらつきがあるなどの課題があった。
グループは、ガラス上に高さ200マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、幅1ミリ、長さ1センチの管状の空間をシリコンゴムで囲い込んだプレートを製作した。管の中間にある小さな穴から細胞と熱に反応してゲル化するポリマーを流し込み、管の両脇にある培養液をためたプールから細胞に栄養を補給する仕組み。生体に近い環境を再現できており、操作も容易だという。
亀井准教授は「iPS細胞を使った新薬開発などのほか、がん幹細胞の研究などにも使える。今後、市販化を目指したい」と話している。
2016年10月17日 (月)配信京都新聞
ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を3次元培養できるプレートを、京都大物質―細胞統合システム拠点の亀井謙一郎准教授や陳勇教授らのグループが開発した。iPS細胞から目的の細胞を作る研究などに役立つ成果で、ドイツ科学誌で15日発表した。
iPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)などの多能性幹細胞の培養では、容器の底面に接着させる2次元的な方法が多く用いられているが、生体内の環境とは大きく異なるため、狙った細胞を作製しにくかったり、できた細胞の品質にばらつきがあるなどの課題があった。
グループは、ガラス上に高さ200マイクロメートル(マイクロは100万分の1)、幅1ミリ、長さ1センチの管状の空間をシリコンゴムで囲い込んだプレートを製作した。管の中間にある小さな穴から細胞と熱に反応してゲル化するポリマーを流し込み、管の両脇にある培養液をためたプールから細胞に栄養を補給する仕組み。生体に近い環境を再現できており、操作も容易だという。
亀井准教授は「iPS細胞を使った新薬開発などのほか、がん幹細胞の研究などにも使える。今後、市販化を目指したい」と話している。