大型クルーズ船の検疫隔離対策の有効性を評価
専門誌ピックアップ2020年3月6日 (金)配信 呼吸器疾患感染症その他
大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号船内で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)確定例のデータと感染症流行の数理モデル(SEIRモデル)を用いて、発生初期の基本再生産数(R0:1人の感染者が感染させる平均人数)を推定し、検疫隔離対策の有効性を評価。乗客および乗員を層別化したモデルを構築したほか、早期に下船させた場合と下船を遅らせた場合のシナリオを比較した。
発生初期の船内のR0は、武漢中心部の4倍に上りウイルス感染が増幅した状態にあったが、講じた対策によって大幅に低下した。初期R0を14.8としたモデルに基づくと、1月21日から2月19日の間に介入がなければ、乗客乗員約3700人のうち2920人(79%)が感染していたと推定された。このことから、検疫隔離対策によって2307人の感染を防ぎ、R0は1.78まで低下したと考えられた。全乗客乗員を2月3日までに下船、隔離していたら、潜伏期間中の感染者は76人にまで抑えられたと推定された。
専門誌ピックアップ2020年3月6日 (金)配信 呼吸器疾患感染症その他
大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号船内で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)確定例のデータと感染症流行の数理モデル(SEIRモデル)を用いて、発生初期の基本再生産数(R0:1人の感染者が感染させる平均人数)を推定し、検疫隔離対策の有効性を評価。乗客および乗員を層別化したモデルを構築したほか、早期に下船させた場合と下船を遅らせた場合のシナリオを比較した。
発生初期の船内のR0は、武漢中心部の4倍に上りウイルス感染が増幅した状態にあったが、講じた対策によって大幅に低下した。初期R0を14.8としたモデルに基づくと、1月21日から2月19日の間に介入がなければ、乗客乗員約3700人のうち2920人(79%)が感染していたと推定された。このことから、検疫隔離対策によって2307人の感染を防ぎ、R0は1.78まで低下したと考えられた。全乗客乗員を2月3日までに下船、隔離していたら、潜伏期間中の感染者は76人にまで抑えられたと推定された。