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診療所経営、PCR検査委託で壊滅状況から脱却

2020年06月08日 22時35分47秒 | ウイルス

診療所経営、PCR検査委託で壊滅状況から脱却

スタンダードプレコーションするにもコストがかかる
オピニオン 2020年6月7日 (日)配信木川英(川越救急クリニック副院長)

 5月も終わり、全国の緊急事態宣言も解除され、「普通の」6月になるのか、はたまた数週間後には再び「異常な」夏になるのか、まだ分かりませんが、新時代へ大きな一歩を踏み出したことには間違いはありません。

 しかし、今後の世界は「withコロナ時代」で回っていくことにも疑いの余地はありません。どうしても、ここから切り離して考えていくのは全世界の人類の思考的に無理な感じがしますので、今回も新型コロナウイルスの話題を続けようと思います(散々飽きたと言いながら、すみません)。

前回のアンケート、回答してくださり、ありがとうございました。

お勤めの医療機関の医業収入は?

 医療機関自体の収入に関しましては、増収になった所はあまりなさそうというのは、実感と同じでしたね。開業医の皆様は、やはり自分たちの生活に直結しますし、私自身もそうですが体感として減っていることをひしひしと感じる3月と4月でした。

 当クリニックでは、ゴールデンウイーク辺りから、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を保健所から委託されて実施することになりました。そのため院内感染のリスクは大きく抱えながらも、壊滅的な経営状況からは脱却することが一時的にできた印象でした。近隣の医療機関が軒並み発熱患者の受け入れをほとんどしていないので、行き場に困った患者さんが、地元川越市のみならず、さいたま市、上尾市、鶴ヶ島市、坂戸市などから数多く受診されるケースがありました。

 もちろん、全部の患者さんの発熱=新型コロナウイルス感染症では無いので、鑑別が必要とは思いますが、ピリピリしている状況下では正常な思考で行動をとれないのも事実ですね。そのために、「異常な」状況下の患者さんを診察するケースが多々ありました。

 個人的な収入に関しましては、開業医の先生は医療機関の営業成績と直結するかと思いますので、結果的にその通りになったと思います。固定給の開業医の先生も多いかと思いますが、それは今後の収支の見込みも含めて答えていただいたものと思われました。

医師の32.9%、アルバイト収入減少

 勤務医の先生、特に大学病院の先生は外勤のアルバイトの収入の割合が高いと思われますので、外勤先や大学病院側の都合で個人の収入が左右される事態になってしまったのだと推察されます。このような異常事態では、収入を外勤に依存している体制を変えていかないと、どんどん大学から人が離れてしまうことが危惧されます。

 「withコロナ時代」においては、今後の簡易検査キットの開発や抗ウイルス薬の誕生に依存はしますが、インフルエンザ と同じような扱いになることで以前と同様の医療機関の運営になっていくものと考えます。インフルエンザに対して、さまざまな医療機関がどのような感染防御対策をしていたかは、今となっては分かりませんし、おそらく過敏に対応していた施設はあまり無かったでしょう。

 現在進行形のような感染防御をどこまで持続させるかは不透明ですが、この数カ月でどこの医療機関もある程度のノウハウを身に付けたでしょうから、その各々の方策を遂行することが重要かと思います。特に、診療所は既存の構造でやっていけるのか、それとも大幅にリフォームしなければならないのか、瀬戸際の状況になっている施設もあるでしょう。

 当救急クリニックは幸いにも、何とか既存のままで、乗り切れそうです。郊外にあり、駐車場もあり自家用車で受診される方が多いため、自家用車内を待合室のような扱いにして、患者同士を隔離でき、入り口も通常の外来と救急用があるので、発熱患者とその他の患者を分けて診察する工夫をして対応しています。以前に比べて、患者一人当たりにかかる時間が多くなってしまいましたが、患者数が減ってしまったので、何とか回っています。

 もちろん、都市型の診療所ではこのようなことはできませんし、掲げている診療科で各々の対応は異なるとは思いますが、新型コロナウイルス対策は必須の最重点項目になっていくでしょう。

「COVID-19の後には、回復不能な医療崩壊が続いている!」

 病院経営も同様になっていくものと推察されます。前述の通り、当クリニックの近隣の医療機関は発熱患者を受け入れていない施設が多いので、記事で院長が訴えられていた大泉生協病院のような状況になっていないと思われます。私自身は川越市内の中規模病院で外勤をしており、発熱外来はない病院ですが、実感として、かなり外来受診患者が減少していました。つまるところ、どこの医療機関も外来受診患者は減少しているものと考えられます。入院患者数も昨年の同時期と比較して減っていました。

 それにもかかわらず、埼玉県内で3月から4月にかけて、発熱患者が救急車要請された時に10-20件受け入れ困難になる事案が多数発生していました。我々にかなり遠方の救急隊から相談されるケースもありました。結局、県内で何とか受け入れが可能な施設に集中している異常事態が日常茶飯事でした。現在は何とか小康状態になりましたが、救急医療完全崩壊の一歩手前まで進行してしまったことを身に染みた時期でした。

 「withコロナ」時代の救急医療を考えると、内因性でも外因性疾患でもスタンダードプレコーションを前提に、救急患者に対応していくという原点を再認識していく必要があるでしょう。私自身も含めて、なあなあでやってきた感は否めませんので、これを機に見つめ直す良いきっかけになりました。ただし、スタンダードプレコーションするにもコストがかかりますので、診療報酬を保証してもらいたいとは存じます(苦笑)。

 ようやく、新年度が始まった感じですね!今後の日本人の動向が楽しみです。では、また次回。今度こそ、別の話題でお会いしましょう

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すごーいと驚き

2020年06月08日 08時44分43秒 | 

学校がお休みの時、孫が作った傑作です。

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