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流行規模、日本は小さかった? 低い陽性率に第2波懸念

2020年06月17日 22時41分43秒 | ウイルス

流行規模、日本は小さかった? 低い陽性率に第2波懸念

2020年6月17日 (水)配信朝日新聞

 新型コロナウイルスへの感染歴を調べる抗体検査について、厚生労働省は16日、陽性率が東京0・10%、大阪0・17%、宮城0・03%だったと発表した。専門家は、国内では多くの人が抗体をもっていないとみて、「第2波」に向けた対策の必要性を指摘している。

 3都府県の20歳以上の住民計7950人を無作為に選び、6月初旬から検査。大型の機器を使う、比較的精度が高いとされる二つのメーカーの機器で測定し、いずれも陽性になった人を「陽性」とした。陽性と判定された人は、東京は1971人のうち2人、大阪は2970人のうち5人、宮城は3009人のうち1人。

 5月31日時点で報告されている累積感染者数をもとにした感染率は東京0・038%、大阪0・02%、宮城0・004%で、いずれも今回の陽性率のほうが高く、検査で拾われていない無症状の感染者が一定程度いるとみられる。

 海外で報告されている抗体検査の陽性率は米ニューヨーク州で12%、スペインで5%など。欧米に比べ、日本は流行の規模が小さかったとされるが、今回の抗体検査からもその傾向が示されたといえる。

 日本の感染者が少ない理由は、衛生意識の高さや、日本独自のクラスター(感染者集団)への対策など、さまざまな説があるが、確立したものはない。抗体がある場合でもどれぐらい持続するのか、本当に感染を防げるのか、わかっていない。対策はゆるめられないというのが、専門家の見方だ。

 東京医大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「欧米に比べ、日本は大幅に陽性率が低いことになる。感染者がそれだけ少ないということでもあり、日本では、秋にも心配される第2波で感染者数が増える可能性がある」と指摘する。

 山形大病院の森兼啓太・検査部長は「国内の感染状況からみて当たり前の結果」としつつ「次の波が来たときに誰もが感染しうる。『安心してはいけない』ということが確認できた」と話す。日本臨床検査医学会理事の柳原克紀・長崎大教授も「『ほとんどの人が感染していない』ということがわかったとはいえる。次の流行への備えはしっかりやらなければいけない」と強調した。

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新型コロナ抗体療法、海外勢が夏から相次ぎ治験

2020年06月17日 22時25分39秒 | ウイルス

新型コロナ抗体療法、海外勢が夏から相次ぎ治験

武田薬品も日米欧で

 新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として、回復した感染者の抗体を活用した治療法の開発が活発化している。米イーライリリーは、他社に先駆けて抗体治療薬2品の臨床試験を開始。最短で9月にも実用化できる可能性があるという。米リジェネロン・ファーマシューティカルズも試験を始めた。2社以外も今夏に相次ぎ治験入りする見通し。日本では、武田薬品工業の血しょう分画製剤が来月にも試験を始める計画だ。

 新型コロナの回復患者の血しょうなどからウイルスに対する中和抗体を抽出し、治療薬、予防薬にする研究開発が進められている。

 開発1番手は、イーライリリー。カナダのバイオベンチャー企業アブセレラ、中国のジュンシ・バイオサイエンシズ(君実生物医薬)とそれぞれ提携し、2つの抗体治療薬の第1相臨床試験(P1)を今月開始した。リリーのダニエル・スコブロンスキー最高科学責任者(CSO)は、ロイター通信の取材に対し、順調に進めば9~11月頃に米国食品医薬品局(FDA)の緊急使用許可(EUA)の取得も可能と答えている。同氏によると、3つ目の抗体治療薬も開発中。リリーは中外製薬が保有する抗体改変技術を使って治療薬を開発する権利も保有している。

 続いて臨床試験を始めたのが、リジェネロン。重症患者だけでなく入院不要な軽症~中等症患者、医療従事者や家族など感染リスクが高い健康成人も対象に行う。中和抗体2種類を組み合わせた抗体療法で、治療と予防両方の効果を検証する。8月末までに予防用として月産数十万接種、治療用として数万回分の量産体制を整える。

 米ベンチャー企業ヴィル・バイオテクノロジーも、複数の大手企業と組んで実用化を目指す。治療、予防用2種類を開発し、英グラクソ・スミスクライン(GSK)との共同開発で今夏に治験入りする予定。製造面では米バイオジェン、韓サムスン・バイオロジクス、中国のウーシー・バイオロジクスと提携した。

 韓国のバイオ大手セルトリオンも、7月に第1相試験に入る予定。前臨床の動物試験では、ウイルス量が約100分の1に減り、投与1日目から鼻水、咳などの症状が改善することを確認した。

 英アストラゼネカ(AZ)は、ワクチンと同様に大学と提携して開発参入。米ヴァンダービルト大学から中和抗体6種類を導入し、2種類を組み合わせた抗体治療薬を開発する。8月初旬にも第1相を始める計画だ。

 日本では、武田薬品が米CSLベーリングなどと組んで高度免疫グロブリン(抗体)製剤を開発。回復患者の血しょうから抗体を抽出して作られる製剤。米国立衛生研究所(NIH)などの協力も得て、来月には日米欧で最初の臨床試験を始める計画だ。

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