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「助かる命も助からぬ」 重症患者満床の近大病院長

2020年12月12日 22時49分56秒 | ウイルス

「助かる命も助からぬ」 重症患者満床の近大病院長

2020年12月10日 (木)配信共同通信社
 

 新型コロナウイルスの感染急増が続く大阪府で、重症患者を受け入れる近畿大病院(大阪府大阪狭山市)の東田有智(とうだ・ゆうぢ)病院長が9日までに共同通信の取材に応じ、11月下旬以降はほぼ満床状態が続いていると明らかにした。感染者がさらに増えれば他の傷病患者の治療に支障が生じ「助かる命も助からなくなる」と窮状を訴えた。

 同病院は8日時点で重症者向けに10床を用意しているが、新規感染者の受け入れが途切れることはないという。交代制で治療に当たるのは医師3人と看護師約30人。熱がこもる防護服を着け、人工呼吸器の管理など慎重さを要する作業に24時間従事する現場の苦労を「使命感でやっているが、ゴールが見えない。限界が来ている」と語った。

 府内の医療体制は急激に逼迫(ひっぱく)しており、すぐに使える重症者病床の使用率は80%を超えた。府は7日、近畿大など五つの大学病院に対し、追加で病床を確保するよう緊急要請したが、東田病院長は「マンパワーを考えると既にぎりぎり。増床するなら一部の機能を止めないといけない」と苦渋の表情を見せた。

 冬場は他の疾患も重篤化しやすく、脳梗塞での入院は既に想定を上回る人数で推移する。同病院は地域医療のとりでとなる「3次救急」に指定されているため「診られませんとか、他の病院にと言うことはできない。コロナ患者があと1人か2人増えれば(救急を続けるため病院機能のどこかに)犠牲が生じてしまう」と危機感を募らせる。

 感染拡大を止めるには人の移動を減らすしかないと強調。政府の「Go To キャンペーン」などは世代を問わず、いったん停止すべきだと主張する。「いま自粛すれば医療崩壊寸前のところで何とか歯止めがかかる。感染抑止に集中すべきだ」と語気を強めた。

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「感染急増」ステージ入り 軽症者を自宅療養に 病床確保 奈良市、キット配布 /奈良

2020年12月12日 22時21分33秒 | ウイルス

「感染急増」ステージ入り 軽症者を自宅療養に 病床確保 奈良市、キット配布 /奈良

2020年12月9日 (水)配信毎日新聞社
 

 奈良市は8日、新型コロナウイルスへの警戒態勢を独自基準のステージ2(感染漸増段階)から3(感染急増段階)へ引き上げた。感染者の増加に備えて病床を確保するため、軽症者や健康観察中の人は、なるべく宿泊療養や自宅療養に切り替えるよう県と調整するという。県は現在、陽性が確認されれば無症状でも宿泊療養とし、自宅療養を認めていない。【稲生陽】

 5日から県内の重症患者が7人となり重症病床(27床)の使用率が3日連続で25%を超えたほか、7日現在の県内の患者数(269人)や県全体のコロナ専用病床使用率(44%)でも市の引き上げ基準値を超えた。今回の引き上げに伴う対策期間は2週間で、公民館などの公共施設は定員を半分にするなど制限するが、市役所窓口や市主催の催しなど市民生活に直結する部分は制限しないという。

 仲川げん市長は記者会見で、自宅療養への切り替えについて、「必要があればすぐ医療機関につなぐ前提で自宅療養してもらい、入院者をなるべく減らすよう工夫したい」と述べた。今後、自宅で療養や健康観察する人向けに、2週間分の生活物資を詰めた「自宅療養キット」を提供する。中身はパスタやインスタント食品など食料のほか、トイレットペーパーやマスクなどの生活必需品。自宅療養に同意した人に保健所が提供するという。

 仲川市長は「まだロックダウン(強制的な移動制限)する必要はない」との現状認識を示す一方、「11月の市内の感染者142人のうち、(スマートフォンへの)接触確認アプリのインストール率は15%。まだまだ浸透していない」と述べ、市民に改めてインストールを促す方針。また、142人中19人が発症直前に「GoTo」などで観光旅行に出かけていたことも明らかにし、注意を呼び掛けた。

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南アルプスの「ジット」、医療用マスク製造開始 県事業、年間306万枚供給へ /山梨

2020年12月12日 20時58分31秒 | ウイルス

南アルプスの「ジット」、医療用マスク製造開始 県事業、年間306万枚供給へ /山梨

 2020年12月9日 (水)配信毎日新聞社
 

 新型コロナウイルスの感染拡大で想定されるマスク不足に備え、南アルプス市のリサイクルインク製造販売会社「ジット」(石坂正人社長)が8日、医療用マスクの製造を開始し、製造現場を報道陣に公開した。今後、県内の感染症指定医療機関や保健所の計23カ所で必要と想定される年間計306万枚を供給する方針。

 新型コロナ流行でマスクや消毒用アルコールが不足した今年4月、ジットは医療ヘルスケア事業部を新設。その後、県のマスク製造拠点の設備投資事業に応募し、選ばれ、今年8月に県と「マスク供給に関する協定」を締結した。

 この日はマスク製造用に新設したクリーンルームを公開し、マスクの性能や製造工程を紹介した。マスクは3層構造で、中間層で微粒子をろ過。患者の飛沫(ひまつ)や血液が付着しても浸透しにくく、個別包装で衛生面にも配慮した。国際規格にも適合しているという。

 視察した若林一紀副知事は「コロナ禍の中、新しいことにチャレンジしていただき、心から敬意を表したい」と述べた。石坂社長は「県民の不安と恐怖の気持ちを少しでも和らげたいと思い、製造を決意した。山梨県のために全力で頑張っていく」と抱負を語った。【梅田啓祐】

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うつ病の脳の特徴、AIで見分ける 診断の補助に

2020年12月12日 20時50分34秒 | 医療情報

うつ病の脳の特徴、AIで見分ける 診断の補助に

 2020年12月8日 (火)配信朝日新聞
 

 うつ病の脳活動の特徴を、国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)などの研究チームが人工知能(AI)技術を使って見つけた。脳活動を数値化してうつ病の診断を補助する指標として使えるようにした。米科学誌プロス・バイオロジーに8日、発表した。

 うつ病の診断は、医師が患者を問診したうえで、診断基準を使って判断される。ただ、診察する医師によって、診断結果にばらつきがあることが課題で、診断の補助となる指標が求められている。

 グループは、広島大や京都大病院など4施設で健康な564人と、うつ病患者149人の安静状態の脳活動を調べた。脳活動は、脳の血流変化をとらえる「機能的磁気共鳴画像(fMRI)」と呼ばれる手法で調べた。

 まず、脳を379の領域に細かく分け、任意の2領域の活動がどれだけ似ているかを調べた。さらに、2領域の活動が似ている、一方が高いと他方が低い、関連がないといった関係を数値で表した。

 このデータをAIに読み込ませ、健康な人とうつ病の人の脳を見分ける「うつ病度」として数値で表せるようにした。健康な人285人、うつ病患者236人に対して「うつ病度」を計算したところ、約70%の精度で健康な人とうつ病の脳を判別できた。

 fMRIは、多くの病院で使われているMRIの装置で調べることができる。研究チームによれば将来、病院で10分程度のfMRIのデータをとり、解析結果を医師が診断時の参考情報として使えるようにしたいという。(瀬川茂子)

 

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室外8秒で罰金37万円 台湾、隔離中の男性に

2020年12月12日 20時48分22秒 | ウイルス

室外8秒で罰金37万円 台湾、隔離中の男性に

 2020年12月8日 (火)配信共同通信社
 

 【台北共同】台湾南部・高雄市で、新型コロナウイルスの感染対策に当たる市衛生局が、台湾入境後に施設で隔離中だった20歳代のフィリピン人男性が部屋から廊下に8秒間出たとして、10万台湾元(約37万円)の罰金を科した。地元メディアが報じた。

 同市で11月以降に施設の部屋から出るなどした違反者は計19人。当局者は「一歩でも部屋から出ることは許されない」と強調。陳其邁(ちん・きまい)市長も「地域感染を絶対に防ぐ必要がある」と述べ、厳しい対応を継続していく方針を示した。

 フィリピン人男性は11月13日に出稼ぎのため入境した後、施設に滞在していた。19日に隣の部屋を訪れようとし、巡視員に出くわして大急ぎで自分の部屋に戻った。一連の様子は監視カメラにとらえられていた。インスタント麺のお湯をくむために廊下に出た別の出稼ぎ労働者も同額の罰金を科せられた。

 台湾は厳しい防疫策により、感染拡大を抑え込んでいる。入境者には14日間の自宅か指定施設での隔離を義務付けている。感染確認は累計716人で、死者は7人。感染確認の大半を入境者が占めている。

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感染者の血液から抗体採取、神戸大が創薬の新興企業と治療薬を共同開発へ

2020年12月12日 20時43分37秒 | ウイルス

感染者の血液から抗体採取、神戸大が創薬の新興企業と治療薬を共同開発へ

 2020年12月8日 (火)配信読売新聞
 

 神戸大と創薬の新興企業「イーベック」(札幌市)は、新型コロナウイルス感染者の血液から抗体を採取し、治療薬の共同開発を始めると発表した。大手製薬会社の協力を得て治験につなげ、感染初期に重症化を防ぐ抗体薬の開発を目指す。

 抗体は免疫細胞が作るたんぱく質の一種で、ウイルスの表面にくっつき、病原性を失わせる働きがある。新型コロナの感染者の体内で作られる抗体を利用し、薬の開発を目指す研究は世界中で進んでいる。

 神戸大は今回、兵庫県立加古川医療センター(加古川市)で治療を受けた患者から血液の提供を受け、ウイルスの病原性を失わせる抗体を分析。効果の高い抗体を見つけ、イーベックが薬として開発する。既に100人以上の患者から血液の提供を受けているという。

 県は研究資金などを援助する。兵庫県の井戸知事は記者会見で「兵庫から世界に通用する新たな薬ができることを期待したい」と述べた。

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500人接種の治験開始 コロナワクチン、大阪

2020年12月12日 20時41分01秒 | ウイルス

500人接種の治験開始 コロナワクチン、大阪

 2020年12月8日 (火)配信共同通信社
 

 大阪大発の製薬ベンチャー「アンジェス」(大阪府茨木市)は8日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、新たに500人規模の治験で被験者への接種を始めたと発表した。結果がまとまるのは来夏ごろの予定で、その後、さらに規模を拡大した治験を計画する。

 吉村洋文(よしむら・ひろふみ)府知事は来年春から秋に広く接種を開始できるとの見通しを示していたが、ずれ込みそうだ。

 同社によると、治験ではワクチンを2回接種する。1回目と2回目の間隔を2週間と4週間の2グループに分けて、副作用の発生や十分な量の抗体ができるかを確認する。各グループのうち50人ずつは偽薬を接種し、結果を比較する。

 関西と関東の計8施設で実施し、全員の接種が終わるのは来年3月の見通し。同社はこれまでに、大阪市立大と大阪大の付属病院で計60人に接種する治験を実施したが「結果は年内に公表する」として、詳細を明らかにしていない。

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島根県立中央病院の入院患者1人感染 計700人検査へ 新型コロナ

2020年12月12日 20時16分39秒 | ウイルス

島根県立中央病院の入院患者1人感染 計700人検査へ 新型コロナ

 2020年12月8日 (火)配信中国新聞
 

 島根県立中央病院(出雲市)の一般入院病棟の看護師と患者の新型コロナウイルス感染を受けて、丸山達也知事と小阪真二院長が7日、県庁で記者会見した。院内感染の可能性について「現時点で分からない」とした上で、全入院患者や11月下旬まで関係病棟にいた患者計約600人と、病棟に出入りしていた職員計約100人のPCR検査をすると明らかにした。

 県によると、6日に感染が分かった看護師は1日から鼻づまりや倦怠(けんたい)感の症状があり、3日に発熱。5日に親戚の60代女性の感染が発覚したためPCR検査を受けて陽性が確認された。1日まで出勤しており、同病院は病棟の入院患者39人と職員8人の検査を実施。うち入院患者1人が感染していたと7日に発表した。

 この患者は11月24日に風邪症状に伴う心不全の悪化で個室に入院。同27日に4人部屋へ移ったが、感染が確認されたため、現在は感染症対応の個室で療養している。入院時にせきの症状があったが、コロナの検査はしていなかった。感染が判明した看護師からは、入院した24日に10分程度の処置を受けて、以降は直接接していないという。

 小阪院長は「マスクや手袋をした上での短時間の接触で感染した可能性は高くないと思う」と説明。入院時に検査しなかったことについては「当時は県内でほぼ感染者がなく、強く疑われる場合以外は検査しないステージだった」とした。

 同病院は、看護師の感染発覚直後に担当病棟の新規入院の受け入れを停止。7日には感染が発覚した患者と接触のあった医師3人による診療を休止したほかは通常通りの診療を続けている。丸山知事は「冷静な対応をお願いしたい」と呼び掛けた。

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GoTo高リスク論に疑問 官房長官「断定できず」

2020年12月12日 19時26分17秒 | ウイルス

GoTo高リスク論に疑問 官房長官「断定できず」

2020年12月8日 (火)配信共同通信社
 

 加藤勝信官房長官は8日の記者会見で、観光支援事業「Go To トラベル」利用者ほど新型コロナウイルスの感染リスクが高いとした東大などの研究チームの調査結果に懐疑的な見方を示した。「著者自らも、研究方法の限界として利用が直接的に症状につながったと断定できない点を挙げている」と指摘した。

 トラベル事業の継続については「事業者と利用者の双方で感染防止対策を徹底し、適切な運用を図る姿勢に変わりはない」と強調した。

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受け入れ病院に20万円支給 大阪、年末年始の医療確保

2020年12月12日 19時22分26秒 | ウイルス

受け入れ病院に20万円支給 大阪、年末年始の医療確保

 2020年12月8日 (火)配信共同通信社
 

 大阪府の吉村洋文(よしむら・ひろふみ)知事は7日、医療機関の態勢が手薄になる年末年始に新型コロナウイルス感染者の入院先を確保するため、受け入れ病院に対し新規患者1人につき20万円の協力金を支給すると表明した。

 対象期間は29日~来年1月3日の6日間。同期間にPCR検査を実施する病院や診療所にも検査1人分につき1万円を配る。

 府は、今月15日から運用を始める重症者向けの専門施設「大阪コロナ重症センター」(大阪市住吉区)で必要な看護師が50人不足しているため、経験がある人の緊急募集もホームページ上で始めた。

 府内では7日、228人の感染が確認され、9人が死亡した。7日現在の重症者は141人で、重症病床使用率は68・4%。最近は1日当たり300人を超える陽性者が出る日が多く、重症者の増加は当分、続く見通しだ。

 重症センターは30床で、全面稼働には看護師130人が必要になるが、めどが立っているのは80人にとどまる。吉村氏は「人工呼吸器装着のケアができる方を広く緊急募集したい」と協力を求めた。

 既に全国知事会、関西広域連合や自衛隊に派遣を要請しており、全国知事会は7日、秋田や京都など13府県から看護師計26人を順次派遣すると発表した。

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GoTo利用者に発症2倍 観光、東大チーム初調査 味覚異常などコロナ疑い

2020年12月12日 19時18分33秒 | ウイルス

GoTo利用者に発症2倍 観光、東大チーム初調査 味覚異常などコロナ疑い

 2020年12月8日 (火)配信共同通信社
 

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」の利用者の方が、利用しなかった人よりも多く新型コロナウイルス感染を疑わせる症状を経験したとの調査結果を東大などの研究チームが7日、公表した。PCR検査による確定診断とは異なるが、嗅覚・味覚の異常などを訴えた人の割合は統計学上、2倍もの差があり、利用者ほど感染リスクが高いと結論付けた。

 研究チームによると、GoTo事業と感染リスクの関係を示す調査は国内で初めて。政府は8日に事業の延長を盛り込んだ追加経済対策を閣議決定するが、継続の是非が改めて問われそうだ。

 菅義偉首相は感染拡大を受けた事業の抜本的な見直しに否定的な立場で、感染拡大の主要因とする「証拠はない」との専門家見解を繰り返している。

 調査は15~79歳の男女約2万8千人を対象に8月末から9月末にインターネット上で実施した。過去1カ月以内に嗅覚・味覚の異常を訴えた人の割合は利用者で2・6%なのに対し、利用しなかった人は1・7%だった。年齢や健康状態の影響を取り除く統計処理を施すと、有症率の差は約2倍に上った。発熱やせき、頭痛を含めた計5項目全てで利用者の方が有症率が高かった。

 年齢別では65歳以上の高齢者よりも、65歳未満の方が感染を疑わせる症状を経験している割合が高かった。一方、基礎疾患の有無については相関が確認できなかったとし、東京都が実施している高齢者や基礎疾患のある人を除外する方法の有効性にも疑問を投げ掛けた。

 研究チームの宮脇敦士(みやわき・あつし)東大大学院助教(医療政策)は、英国などでは大規模な調査研究が既にあると指摘。「エビデンス(根拠)に基づく政策立案が重要で、透明性の高い判断を下すことが必要だ」と調査の意義を強調した。

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離職相次ぎ医療提供厳しく 応援要請も好転見通せず 「表層深層」大阪、北海道に自衛隊が看護師派遣へ

2020年12月12日 19時13分19秒 | ウイルス

離職相次ぎ医療提供厳しく 応援要請も好転見通せず 「表層深層」大阪、北海道に自衛隊が看護師派遣へ

2020年12月8日 (火)配信共同通信社
 

 新型コロナウイルス感染で深刻な状況が続く大阪府や北海道に自衛隊の看護師が派遣される見通しとなった。地域では感染のリスクや高い業務負担を背景に離職が相次ぎ、コロナ対応に加え、一般医療の提供にも厳しさが増す。感染者が比較的少ない県も応援を出す余裕は乏しく、自衛隊が形勢逆転の決め手になるとも限らない情勢だ。

 ▽あらゆる手段

 「(病床が)非常に逼迫(ひっぱく)している。あらゆる手段をやっていきたい」。大阪府の吉村洋文(よしむら・ひろふみ)知事は7日、記者団に語った。

 府内では確保した重症者用病床のうち、他の病気やけがで使っているものを除いた病床の使用率は9割に迫る。患者数がベッド数を上回る"医療崩壊"を避けるため、重症専用の臨時施設を15日から稼働させる考えだが、看護師不足が解消できていなかった。

 北海道旭川市でも病院で大規模なクラスター(感染者集団)が相次ぎ発生。病院は先月末には派遣を求めていたが、道や市の足並みが乱れて速やかに要請ができず、事態の悪化を招いた。

 ▽負荷

 大阪では人手不足が深刻だ。5月、全国に先駆け中等症患者の専門病院となった大阪市立十三市民病院では医師10人、看護師10人超が離職した。

 背景にあるのが負担の重さだ。防護服姿での作業は熱がこもるため汗で体力が奪われ、作業もしづらくなる。患者は70歳以上が7割以上を占め、寝たきりや認知症の人もいる。排せつや食事、移動の介助、室内の清掃もこなす現場からは「看護外の業務が増えてしんどい」との声が漏れる。

 1人の看護師が担当できる患者数は限られ、夜勤などのシフト調整が厳しい。整備した90床のうち患者受け入れは60床を上限にせざるを得ない。

 心理的負荷も高い。感染の恐怖と隣り合わせで、家族にうつさないようにとホテルで暮らす看護師も。森坂佳代子(もりさか・かよこ)看護部長は「コロナがなければ続けてくれた人も多いと思う」と顔を曇らせる。

 コロナ以外の医療にも既に悪影響が出ている。市立総合医療センターでは産科病棟などに続き、12月7日に若年がん患者の専用病棟を一時閉鎖。看護師15人を十三市民病院などでの感染者対応に振り向けた。全国でも先進的だった若いがん患者の就学、就労など社会的課題への支援継続が難しくなり、がん患者団体からは懸念の声が上がった。

 慢性的な人手不足にコロナ対応が拍車を掛け、負担がさらに増す悪循環。高橋弘枝(たかはし・ひろえ)府看護協会長は「新規感染者を減らすしか医療崩壊を防ぐ手はない」と悲鳴を上げた。

 ▽余力

 府は全国知事会などにも派遣要請を出し、複数の県が応じる姿勢だ。ただ派遣する側の余力も十分ではない。看護師2人の派遣を表明した和歌山県の幹部は「重症患者を診る際、2床に15人の看護師が必要だ。そこから2人取られるだけでも痛手。県内では高齢患者が多く重症も増えている。軽症や無症状の人もいつ重症に転じるか分からない中で、これ以上の派遣は難しい」と説明する。

 こうした中、頼みの綱とされた防衛省幹部は「要請は当然想定していた」と腹をくくる。集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に派遣された際、隊員から感染者が出なかったとして評価も高い。だが幹部は「人数は限られ、劇的に状況を改善させられるわけではない」とくぎを刺した。

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追加検査、まん延防ぐ 1例目確認の研究者 見逃せば欧州並み拡大も

2020年12月12日 19時07分20秒 | ウイルス

追加検査、まん延防ぐ 1例目確認の研究者 見逃せば欧州並み拡大も

 2020年11月30日 (月)配信共同通信社
 

 今年1月に国内初の新型コロナウイルス感染者を検査した国立感染症研究所の松山州徳(まつやま・しゅうとく)ウイルス室長が28日までに共同通信のインタビューに応じ、初回検査では陰性だったが、開発中だった手法で念のため追加検査した結果、かろうじて発見できたことを明らかにした。国内1例目の確認時の詳細が明らかになるのは初めて。

 当時、中国以外で新型コロナの感染者が見つかった国は、日本がタイに次いで2番目だった。追加の検査がなければ日本への流入確認が遅れ、欧州のように2月ごろからまん延していた恐れがあると松山室長は指摘する。

 1例目となった日本に住む中国人男性は、新型コロナの発生地である中国・武漢市から今年1月6日に帰国。現地では家族とともに両親などの家に滞在しており、滞在中から発熱があった。帰国後に病院を受診したところ肺炎を確認。管轄する保健所から連絡があり、15日夜に検査で陽性が確定した。

 松山室長などによると、連絡を受けて検査を始めたのは14日夜。15日早朝に得られた結果では陰性で、厚生労働省にも経過を報告した。

 ただ男性の状況から感染がかなり疑わしかったため、最初の検査で遺伝子を増やしたものを検体として使うという手法で追加検査した。その結果、ごく微量の遺伝子の検出に成功し、公開されていた新型コロナの遺伝子情報とも合致した。

 詳しく調べると、検体に含まれていたウイルス量がきわめて少なかったことが判明。松山室長は「非常に困難な検出をやった」と話した。

 男性の実家では父親も発熱しており、男性の妻らにも症状がでていた。状況から父親からの感染も考えられると感染研は推定。父親からうつったとすれば、昨年末の段階で、すでに武漢で市中感染が起きていた可能性があるとしている。

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新型コロナ 「現場感覚では、今が限界」 埼玉医大・岡教授のSNS投稿拡散 早期対策求め /埼玉

2020年12月12日 18時54分55秒 | ウイルス

新型コロナ 「現場感覚では、今が限界」 埼玉医大・岡教授のSNS投稿拡散 早期対策求め /埼玉

 

 ◇根拠のない楽観論懸念

 新型コロナウイルスの感染拡大について、埼玉医科大総合医療センター(川越市)の岡秀昭教授(感染症科)が「現場感覚では、もう今が限界です」と訴えるSNS(ネット交流サービス)の投稿が、多くの人に読まれている。岡教授は毎日新聞の取材に「根拠のない楽観論を懸念しています」と言う。

 岡教授は11月26日、「フェイスブック」に「現場の医師から一般の方へ あわよくば失礼承知で政治家の方へ」との投稿を掲載した。投稿では、新型コロナ感染症を「もう誰でも普通にかかる病気になりました」と紹介。行政が発表する確保済みの病床数に対して専門医が不足しているとし、専門外の医師が診察している現実を飛行機に例えて「不慣れなパイロットまで動員しているのに、飛行機はまだ余ってるから大丈夫というのが政治判断なのです。これ安全ですか?」と疑問を呈する。

 「若い人には風邪のイメージですが、1週間も熱が続いて呼吸不全にこんな頻度でなる風邪は見たことないです」「このまま無策では今後1~2週間でさらにピークは高まり、それに遅れて、1週間後に重症者がピークになります。今の医療体制で限界ですので、つまり2~3週間後に医療崩壊を迎えます」と指摘。「もう波は起きてしまいましたが、波の高さピークはまだ変えられます」と、早急の対策を呼びかけている。

 投稿を添付したツイッターは万単位で拡散され、「もっと危機感を持つべきですね」などのコメントが寄せられている。

 岡教授は取材に「国民世論が根拠のない楽観論に動いてしまうことを懸念しています。信頼できる専門家の情報をもとに、政府は正確な情報を流してほしい」とコメントしている。【鷲頭彰子】

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日本接種開始、来年3月か 副作用、情報収集徹底を

2020年12月12日 00時24分44秒 | ウイルス

日本接種開始、来年3月か 副作用、情報収集徹底を

 2020年12月9日 (水)配信共同通信社
 

 英国で米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種が始まった。同社は日本政府と来年上半期に1億2千万回分(6千万人分)を供給することで基本合意しているが、国内の臨床試験(治験)や審査の手続きを経る必要があり、接種開始は早くて3月ごろになる見通しだ。

 ワクチンは効果に対する大きな期待がある一方で、安全性に関しては懸念する声が根強い。当面、接種が始まった国での副作用発生情報などを注意深く集めていく必要がある。

 政府は、国内での接種を認めるには、海外のデータだけではなく、国内での治験結果を提出してもらい審査する必要があるとの考えを示している。ファイザーは3段階に分かれる治験の初期段階である第1、2相臨床試験を国内で実施中。広報担当者は「計画通り進んでいる」と話す。

 開発が先行する海外のワクチンでは、英製薬大手アストラゼネカも1億2千万回分の供給で合意し、国内治験を実施している。米バイオテクノロジー企業モデルナは5千万回分の供給契約を政府と結んでいるが、治験はまだ準備中の段階だという。

 このほか国内のメーカーでは製薬ベンチャー、アンジェス(大阪府茨木市)が第1、2相試験の次の段階である第2、3相試験を開始した。塩野義製薬(大阪市)など他の企業も近く試験を開始する予定。

 開発中のワクチンは、過去に実用化された例のない新技術を使っているものが多い。医薬基盤・健康・栄養研究所の保富康宏(やすとみ・やすひろ)霊長類医科学研究センター長は接種後の痛みや免疫の異常が起こらないかなど「先行して承認された国の様子を注視することが重要」と話している。

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