【大阪】「偽陰性」でクラスターか コロナ治療病院、防止困難
新型コロナウイルス感染者を治療している大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)でクラスター(感染者集団)が発生し、病院は10日、8人の感染を新たに確認したと発表、感染者は計21人となった。一般患者の専用区画で、入院時のPCR検査で感染者が陰性と判定される「偽陰性」が含まれた可能性がある。対策を取っても、ウイルスの侵入を防ぐには困難が伴う。
敷地内では「大阪コロナ重症センター」が15日に開設される予定。吉村洋文知事は「(クラスターで)大きな影響が出るとは聞いていない」として、予定通り稼働できるとの認識を示しつつ「基幹病院なので抑え込みたい」と述べた。
病院によると、11月下旬まで6日間入院した70代の男性患者が、退院後の外来受診で症状を訴え、12月3日に陽性と判明。同室だった患者ら11人、主治医ら医療関係者9人の感染が相次いで確認された。感染した患者は全員、入院した際のPCR検査で陰性だった。面会や外泊は原則禁止で、換気や消毒、マスク着用などの対策もしていた。
PCR検査は採取した検体に十分なウイルスが含まれていないと、感染していても陰性と判定される恐れがある。感染初期などは、こうしたリスクを排除できない。病院の担当者は「どうしても困難な部分はあるが、基本に立ち返って対策を徹底したい」と話した。