経済対策、30兆円超検討 10万円給付や介護処遇改善 政府・与党、19日にも決定
2021年11月8日 (月)配信共同通信社
政府、与党が新型コロナウイルス禍に対応した経済対策の財政支出を30兆円超とする方向で検討していることが7日、分かった。2020年度予算の繰越金の一部や決算剰余金を使い、残りは借金である新規国債の発行で賄う。18歳以下の子どもへの10万円給付や観光支援事業「Go To トラベル」再開、介護職や保育士、看護師らの処遇改善などを盛り込み、19日にも決定する。
岸田文雄首相は経済対策の規模を「数十兆円」としていた。政府は対策の決定後、早期に裏付けとなる21年度補正予算案を策定する。年内に臨時国会を開き、成立させる青写真を描く。対策の一部は、補正予算案と並行して編成する22年度当初予算案に計上する方向で調整している。
岸田首相は7日午後、鈴木俊一財務相らと公邸で会談し、経済対策や予算編成の日程などについて意見交換した。
20年度の繰越金は30兆円超あった。このうちGoTo関連や企業の資金繰り支援といった繰越金の一部を経済対策に活用する見通しだ。4兆5千億円ある20年度の決算剰余金も用いる。
焦点の子どもへの給付を巡っては、自民、公明両党の幹事長が8日に協議して具体的な制度を詰める予定だ。公明は18歳以下に一律10万円の現金給付を主張しているが、富裕層の子どもにも支給されることになるため、政府内には所得制限を求める意見がある。
経済対策では、先端技術の育成に充てる基金の創設や、日本を科学技術立国にするための「大学ファンド」の資金拡充なども打ち出す。従業員の賃金を引き上げた企業に対する税制上の支援を強化する方針も明記する