筑波大 検査機器搭載バス公開 大規模PCR、迅速に 茨城・つくば
災害発生時の避難所などでの感染症対策について実証実験を進める筑波大は18日、茨城県つくば市内で、新型コロナウイルスの大規模なPCR検査を行える大型バスを報道陣に公開した。検査を実演したほか、作業の流れなどについて説明した。
実証実験は内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム」の一環。バスには全自動の検査機器を搭載し、40分程度で結果が判明する。1日2千人以上の検査が可能で、機器を入れ替えれば、別の感染症にも対応できる。
バスには水素燃料電池を搭載。発電量が多く、静音性、制振性に優れるなど精密機器を搭載するに当たり大きなメリットを持つ。
この日は、事前に用意された同大付属病院職員の検体を用いて実演した。車内でスポイトを使って検体を取り出し、専用機器に入れて検査を実施。検体の受け取りから結果が出るまでの時間は39分23秒だった。
バスの検査では、ウェブ受け付けを活用する方針。利用者は検体採取容器にあるQRコードをスマートフォンなどで読み取り、専用ページで名前やメールアドレスなどの情報を登録する。検査結果もメールで通知される。
実証実験はこれまでに土浦保健所で2回実施。今後は、県内のほかの保健所や県との共同避難訓練などでも行う予定。実証実験の代表を務める鈴木広道同大医学医療系教授は「社会実装に向け、実証実験で出てきた課題改善や他の医療検査についての検証も進めていきたい」と話している。