Mars&Jupiter

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病床に臥しながら、ミクルツィコスの「エレーネの帰還」を聴く

2008-03-01 19:06:16 | 古典~現代音楽バルカン地域編
昨日から風邪をひき、咳が出てつらいので、
今日は病院から戻ってからはおとなしくお休み。
ウォーキングどころではなく、熱も少しある。
こんな時は、逆に何もできないので暇である。
時間もたっぷりあるので、ミクルツィコスの歌劇を聴いた。
2枚組のCDであるが、ギリシアの珍しいと思い、
つい、買ったもので、しばらく聴いていなかったCDだ。
タノス・ミクルツィコス(Thanos Mikroutsikos)は、
1947年にギリシアの港町パトラスで生まれた。
CDの英文で書かれた解説書を読むと、
少年時代から音楽を学び、ギリシア音楽院大学などで
作曲の理論とピアノを学んだことがわかる。
彼の作品を録音したCDやLPが30以上あるようだが、
日本ではあまり知られていない作曲家のようである。

「エレーネの帰還」は1幕6場の歌劇だ。
1992年から1993年に書かれたこの作品の、
題材はギリシア神話からきているようだが、
ヤニス・リッツォス(Yannis Ritsos)という
1909年モネンバシア生まれの詩人の詩をもとに、
台本はクリストス・D・ランブラキスが書いたようだ。
古代ギリシアを思わせるような
神秘的な音楽がおもしろい。
カール・オルフのギリシアを舞台とした
舞台音楽と共通するような部分もある。
第6場の男声合唱と女声合唱で、
エレーナが自由をわれわれに与えてくれたと
しきりに歌う部分は全体のあらすじが
把握できていないとわからない。
それにこの物語ではエレーナは
3つの人格を持つ人物として描かれ、
最後は「私はあなたのもので、あなたは私」と
それぞれの人格のエレーナが歌うという
不思議な内容を持った作品である。
あらすじがもっとわかればいいのだが、
人間心理の奥に迫った作品だとはいえるだろう。
コメント (2)
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