Mars&Jupiter

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アルフレット(アリフレド)・シュニトケのコンチェルト・グロッソ第1番を聴きながら二俣川から西谷まで

2010-05-09 07:45:29 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は二俣川から西谷まで歩きました。
今回取り上げる曲は1934年生まれのシュニトケの作品。
彼の略歴については以前ブログで触れているので省略する。
コンチェルト・グロッソ第1番は、1976年から77年にかけて作曲された。
曲はヴァイオリニストのギドン・クレーメルに献呈されたようで、
2つのヴァイオリンと2つのキーボードと弦楽オーケストラによる作品である。
初演は1977年3月にレニングラードで行われたようだ。
聴いたCDは、クリスティアン・ベルイクヴィスト、
パトリック・スヴェトルプのヴァイオリン、
ローランド・ベンティネンのピアノ、レフ・マルキス指揮、
新ストックホルム室内管弦楽団の演奏によるものである。

前奏曲は、乾ききった打楽器の音にピアノが入り、
その音楽が終わったあと2つの独奏ヴァイオリンが入り、
両者がやりとりをする空虚な感じの中、チェンバロの音が入ってくる。
その後音楽は2つの独奏ヴァイオリンと弦楽オーケストラ中心に展開され、
最後弦楽オーケストラによる盛り上がりがあったあと、
2つの独奏ヴァイオリンの対話が続いて静かに終わる。
トッカータは、弦楽オーケストラによりヴィヴァルディの協奏曲風に
叙情的な旋律が流れていくが、その一方でシリアスな感じの音楽が現れ、
交互に登場し、12音技法風の現代音楽とバロック音楽が絡み合う感じで、
多様式という彼独特の作曲様式をうまく示しているものなのだろう。
レスタティーヴォは、弦楽オーケストラによるバルトークを思わせるような
深遠な感じの情感ある音楽で、その後いったん独奏ヴァイオリンが入り、
弦楽オーケストラのみの音楽と独奏ヴァイオリンによる音楽が交互に現れ、
うねるような弦楽オーケストラ音と独奏ヴァイオリンによる音楽は、
やがて一体となり、盛り上がりを見せたクライマックスに達したところで終わる。

カデンツァは、2つの独奏ヴァイオリンによる音楽が展開される。
ピッチカート音を使い、凍りつくような音楽を表現し、
高度な演奏技術を求められるような部分もあり、この音楽は切れ目なく次の音楽に続く。
ロンドは、ヴィヴァルディの協奏曲風な軽快な音楽が奏される。
弦楽オーケストラと独奏ヴァイオリンとチェンバロによる協奏的な音楽は、
対位法的な部分を見せつつバロック音楽が現代音楽と融合させ、
この作品の全体を通しても一番素晴らしい音楽である。
最後には前奏曲の乾ききった打楽器の音が再現され、次の曲に続く。
後奏曲は、重々しいピアノの音と乾ききった打楽器の音の上に、
かすれたような2つの独奏ヴァイオリンの音が絡んでいく。
途中ヴィヴァルディの協奏曲風な軽快な音楽が、回想風に短く現れもするが、
何かを模索するかのように2つの独奏ヴァイオリンが、
音楽による対話を続ける中で静かに、全曲を閉じる。
コメント
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