温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

鶴の舞橋

2013-10-27 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <鶴の舞橋>

 宿泊した白神のホテルから車で約三十分、鶴田町にある「鶴の舞橋」である。



 何年か前、題名も思いだせない二時間ドラマをいつものように筋を追わずに漫然と観ていたら、ラストシーン近くでこの鶴の舞橋が使われて、一瞬にして眼を見開いてしまった。
 行ってみたい、とそのときに強く思った気持ちはその後もまったく褪せることもなかったのだ。



 鶴田町では鶴にこだわった町づくりを進めていることから、橋のデザインには番いの鶴が飛翔する姿をモチーフにしたそうだ。



 三連の太鼓橋は巌鬼山、鳥海山、岩木山の三つの峰で形成される岩木山を模していて、天候が悪く湖面に岩木山が映らない日でも、橋の影を岩木山に見立てて観賞できるよう配慮しているということである。
 橋のアーチだが、岩国の錦帯橋に比べるとこちらはだいぶ優しい丸みだ。

(なんとも惜しい・・・。これで山が観えれば完璧な風景になるのになあ)
 美しい鶴の舞橋の背景には雄大な津軽富士、岩木山が聳えているのだが今日は残念ながら姿を現してくれない。



 この橋の全長は三連太鼓橋では日本一の長さで三百メートルあり、幅は三メートル、使用材料は青森県産のひばの一等材の丸太を三千本、板材を三千枚。橋桁には樹齢百五十年を超す直径三十センチのものを七百本使ってある。
 ここまで橋桁本数以外のすべてに「三」がずらりとならぶと、これは偶然とは思えない。神秘的で縁起のいい「三」という数字に意図的にこだわったのだろう。なかなかに面白い。



 気がきく津軽のとんぼがすこしずつ先導しては、欄干で羽を休めてわたしを待ってくれている。

 橋の中間には大小二ヶ所の休憩所が設置されていて、「大」は鶴のオスの頭、「小」は鶴のメスの頭を表す。





 遠くから眺めると、二羽が仲良く湖面を舞っているようにも見えるそうである。

 橋が架けられた湖であるが、天候が良く湖面が鏡のように穏やかなとき、別名「津軽富士」と呼ばれる岩木山が逆さに映ることから「津軽富士見湖」と呼ばれている。



 青森県内でも人造湖としては最も大きな貯水湖で、西津軽一円の農業に重要な役割を果たしている。元の名称は「廻堰大溜池(まわりぜきおおためいけ)」と呼ばれていており、岩木山を水源とする白狐沢からの自然流水による貯水池であった。

 橋の袂にある「富士見荘」の温泉に入ってみた。
 駐車場を借りたので、料金代わりということもある。日帰り入浴は午前七時半から午後九時までで、三百五十円と安い。



 脱衣場で、地元客にまったく理解不能な津軽弁で話しかけられ、「はい、初めてです。いいところですねぇ」とテキトーに受け応えし、そそくさと大浴場に逃げ込んだ。



 掛け流しの黒い源泉は熱く身体に浸透して、あの房総勝浦つるんつるん温泉を彷彿とさせるとてもいい湯であった。
 汗みどろになって、腹も減ってきた。さて、それでは今日のお楽しみであるしじみラーメンに向かうとするか。



  →「鰺ヶ沢高原温泉」の記事はこちら
  →「錦帯橋①」の記事はこちら
  →「錦帯橋②」の記事はこちら
  →「十三湖、しじみラーメン」の記事はこちら
  →「勝浦つるんつるん温泉」の記事はこちら
  

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久慈、まめぶ汁 | トップ | 読んだ本 2013年10月 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ぶらり・フォト・エッセイ」カテゴリの最新記事