![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/9e/33c60cf76a048f42ade3dca2e74733fd.jpg)
大皿や大鉢の作品は本ブログで幾つか紹介していますが、源内焼では地図皿にも口径が40センチを超える作品はなく、僅かに本ブログで紹介した下記の作品「三彩鳳凰文西湖図大皿」となんでも鑑定団に出品されていた「山水文大皿」くらいしかないでしょう。
本ブログで紹介した下記の作品「三彩鳳凰文西湖図大皿」は下記の作品です。
源内焼 三彩鳳凰文西湖図大皿
五島美術館出版「源内焼」掲載
五島美術館出版「源内焼」掲載
:作品番号34・35「三彩鳳凰文西湖図大皿」
平賀源内先生遺作館企画展「さぬきの源内焼」掲載
平賀源内先生遺作館企画展「さぬきの源内焼」掲載
:作品番号4「三彩鳳凰文西湖大皿」
補修跡有 高さ77~81*口径428~427*高台径262 誂箱
補修跡有 高さ77~81*口径428~427*高台径262 誂箱
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/73/1fe550f7e35c6dc16383d34180fff93b.jpg)
下記の作品はなんでも鑑定団出品に出品されていた大皿です。
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参考作品 2012年4月10日放送 なんでも鑑定団出品作
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/b2/c0c0b12ea97292c04c3e4c95f0d36ebb.jpg)
評価:300万円 源内焼の常識を覆す品。直径が43センチ余りあり、おそらく平賀源内が存命中に直接指導して作らせた皿としては最大の物。
裏は総釉といって前面に釉薬がかかっており、判も銘もない。これは初期源内焼である証拠で、1774年以前数年間に作られたものと断定できる。
なんといっても紋様が素晴らしい。西洋とも東洋ともつかない奇怪な人面が8箇所描いてあり迫力がある。
真中は中国江南の風景だが、この人面の描かれた周囲の部分は国籍不明。これは源内がヨーロッパへの輸出を目論んで作っているため。
さらに良く見ると窯の中で立てて焼かれている。これはわざと釉薬を縦に流すことで、油絵の具の厚みを意識している。絵も技法もそれまでの日本の焼物には全くなかったもの。まさに平賀源内の面目躍如。将来重要文化財になってよいものと思う。
*この作品は平賀源内先生遺作館企画展「さぬきの源内焼」の作品集に掲載されています。(作品番号50「三彩山水楼閣図大鉢」)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/56/aa6a9b04c5894444c5b1896840f4cdb0.jpg)
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本日の作品は上述の「三彩鳳凰文西湖図大皿」と同様に割れの補修の跡がありますが、この程度の割れがあっても鑑賞に堪えうる大きな作品は稀有でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/43/7a1cd57ae4fad2aad98cf8c4b72c1657.jpg)
稀有な大きな作品 源内焼 三彩山水文大鉢
割補修跡有 誂箱入
作品サイズ:口径410*高台径240*高さ68
五島美術館出版「源内焼」掲載
:作品番号64・65「三彩花文皿」2種&「三彩魚藻・三彩文鉢」
平賀源内先生遺作館企画展「さぬきの源内焼」掲載
:作品番号51「三彩山水文皿」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/7a/df6292a4ef10c144591bac7650dcd0f7.jpg)
このような大きな作品は軟質の土で型で作るには非常に難しいと思われます。
*なお汚れている状態は入手時のままの写真です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/d3/9cee9c3146cc2dff4fa746e247a79d65.jpg)
大きな武家や商人にしか売らなかった源内焼ですが、これは鑑賞用に特注で作られた可能性が高い作品です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/82/c3ad7c3aecf2c3bc7afbc647b3839ea1.jpg)
中央の見込みの湖は源内焼特有の緑釉で見事に表現されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/e3/f1060301adc70a7ff1847048973cd929.jpg)
他の作例では一般的に源内焼で見受けららる眼鏡底のような形状でない作品もあり、その製作期間の経緯については詳細は不明です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/ae/034109d9973f56ff9b77f9c1d4e9a652.jpg)
本作品はインターネットオークションにて入手していますが、落札金額は10万円強ほどです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/8c/7f4944e2427b3f1e88d87acca1291ad6.jpg)
見込み中央の湖と口縁の周囲に山々と楼閣で山水を表現しています。
もしかしたらこの作品も窯の中で立てて焼かれている可能性があります。意識的に釉薬を縦に流すことで、絵の具の厚み、作品の奥行がでることを意識しているようです。まさしく絵も技法もそれまでの日本の焼物には全くなかったものでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/b3/d2b95ac90b967d29fb3693c4b49cbb7e.jpg)
木々は緑釉薬で浮かぶ雲は褐色の釉薬です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/18/dcafd68ee76a68e28a0ee397043407df.jpg)
山々は黄色の釉薬と褐色の釉薬で使い分けて表現されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/4e/c706114e662c9251be585aece469a71b.jpg)
褐色の釉薬はしかも濃淡で表現されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/f8/8bc766efbcc71984261188db543d2540.jpg)
細かい点もきちんと型から抜けている一品です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/49/976ec64884c5bcb26e4c968809914533.jpg)
この上下の写真は汚れを落とした後の写真です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/88/d03b4cdee979540f9d60dcb994a59b5a.jpg)
形は少し歪んでいますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/9d/58cae409f59d17eb36af93dd7e27402e.jpg)
裏面の汚れは洗うと落ちそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/e4/1358747aa12127a1b5403666fef97b23.jpg)
この同型の作品は多くの図集に紹介されていますが、地図皿と同じく市場に出回ることはまずありません。
参考資料
五島美術館出版「源内焼」掲載:作品番号64「三彩山水文大鉢」2種
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/41/5f7a2d36a3e593677792cfadd2bc8862.jpg)
参考資料
五島美術館出版「源内焼」掲載:作品番号65「三彩魚藻・三彩山水文鉢」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/ef/ab6c2398100f18649cae459347790339.jpg)
平賀源内先生遺作館企画展「さぬきの源内焼」掲載:作品番号51「三彩山水文大鉢」
(平賀源内先生遺品館 企画展 財団法人 平賀源内先生顕彰会出版)より
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/17/a49e6f3059fc95f6b8718f068f2ba980.jpg)
本作品は割れた補修跡があるものの絵柄の出来としては作品集の出来を上回るようです。
さて本日の作品で当方の源内焼の蒐集数は138・・、傑出した作品はないものの数はそれなりに。
さて本作品をちょっときれいにしてみました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/34/27f77c1d7968e19aac9edd10b44c875b.jpg)
特殊なスポンジで軽く洗います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/91/1de77ed8061801a97b8c28de9a6c522d.jpg)
割れ以外はきれいになりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/84/6e47944a2dfee49b569132bb299acd69.jpg)
源内焼は埋もれている作品です。ついでに汚くなっています??
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/6a/3ce2f602a6a894b145679d9a06ffc33c.jpg)
釉薬の流れを利用しているのがよくわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/67/c0f134e1b0764b5e9ba1220083a3308a.jpg)
詳細にみていくとこれほど楽しい器はない・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/15/db11349d9a1b44616a77ace8f3806f36.jpg)
割れもきれいに金繕いするとさらにいいかもしれませんね。自分でできる範囲で金繕いしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/d0/17dcae0443138b09077c56af77020a9a.jpg)
上記写真が現在の仕上がり状況です。資料に掲載されている作品より良さそう・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/14/3782fc1176a47fdc50a0dfc326dd9db2.jpg)
数少ない大きめの源内焼の作品ですが、当方も所蔵数が増えてきました。源内焼専用の棚に大きめだけの作品だけ揃えています。