夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

水墨山水図 中林竹渓筆 その4

2013-07-04 05:11:04 | 掛け軸
一昨日、帰宅してみると家内が茶碗をまじまじと見ていました。どうも自分で購入したらしい。前から気になっていた陶芸家の作品で、酒杯は購入した経験があり、なかなか面白い釉薬(銀河釉)を用います。

結構なお値段ですが、茶陶磁器といては安い方かも知れません。近日公開予定・・・

本日は名古屋出身の南画家です。中林竹洞の長男で親子で著名な画家です。南画家としては武士の碌のある画家ということで、奔放さに欠けるとか、絵がかたいとか評価を受けることの多い画家ですが、根強い人気があります。



水墨山水図 中林竹渓筆 その4
紙本水墨 軸先象牙細工 添箱
全体サイズ:縦2100*横368 画サイズ:縦1330*横240



落款は「竹渓」とのみ記され、印章は「成業」と「紹」の白文朱方印の累印が押印されています。

文献にある落款と印章を比較してみましたが、この参考印章は落款に比して大きさが違うので同一印章ではない可能性もあります。こういうのが一番迷うところですが、作品から受ける印象(印章ではなく)で真贋を判断するのが収集者にとって一番健康的と最近感じるようになりました。

 


箱書きは「中林竹渓水墨山水図」と題され、裏には野村甫洲なる人物によって「南宗画之大家中林竹渓先生水墨之図 筆意□□而一見以證大家真蹟焉 □□□□ 野村甫洲」と記されています。

  

大切に保存されていたことは、保存箱の作りからも窺えます。



中林竹渓 :1816-1867 幕末の画家。文化13年生まれ。中林竹洞(ちくとう)の長男。父にまなび,のち山本梅逸(ばいいつ)にあずけられる。写生を主とした洋画風をとりいれた。奇行でも知られた。慶応3年4月22日死去。52歳。名は成業。字(あざな)は紹文。通称は金吾。別号に臥河居士。作品に「中林竹渓先生四季十二景」。



山水画の妙はその筆致によるところが大きい。



また墨一色でありながら色彩を感じさせるところにある。

人間の魅力と相通じるところがある・・。



軸先部分の象牙にもいいものを使っています。現在はこの象牙だけで数万円するという話を聞いたことがあります。絵の部分よりこの象牙目当てで購入する人もいるらしい。



表具もそれなりにいいもの・・。



このような細長い掛け軸を長条幅というらしい。




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