本日紹介する作品は以前に2010年8月のブログに掲載した作品ですが、資料をまとめる種に男の隠れ家から持ち帰った作品です。まだの30代の頃に盛岡に赴任中に盛岡市内の骨董店から購入した作品です。
京焼 兎香炉
箱入
幅150*奥行130*高さ150
「兎を装飾的に、かつ写実的に捉えながら香炉に昇華させた逸品。」と入手当時に自分で記録しています。未だに当方では製作年代は考えあぐねており、生産地は伊万里か京焼のどちらかであろうが、資料としては「京焼」と分類しています。
江戸期? それほど古くはなく明治頃の作かもしれません。残念ながら落としたのであろうか、入手時から大きな補修や割れがあり、このような難点があるから当方の小遣いにて入手できた金額だったのでしょう。
盛岡の骨董店の「古陶庵で」購入したものです。今でも開業しているかどうかわ解りませんが真贋共々ずいぶんと勉強させられました。
兎の表情がいい。兎の野生的な表現がよく、また蓋の雅な色使い、体毛の表現の豊かさといった楽しみの多い作品。
写実的でありながらどこか不気味?
干支の飾りとしてもいいでしょうが、単にかわいい兎でないところがあります。兎を山の神と同一視あるいは山の神の使いや乗り物とする伝承も日本各地に広くみられます。
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滋賀県高島郡では山の神の祭日には山の神は白いウサギに乗って山を巡る、山の神は白ウサギの姿をしているとされ、京都府愛宕郡では氏神三輪神社境内に祭られる山の神の二月の祭日には白ウサギが稲の種を蒔き、十一月の祭日には白ウサギが稲の落穂を拾うというので、白ウサギは決して獲ってはならないとされている。また、福井県三方郡ではウサギは山の神の使いとされ山の神の祭日に山に入ることの戒めとともに伝わっている。
兎が各地で山の神と同一視されてきたのは、人間の暮らす里と神や動物のいる山とを身軽に行き来することからの境界を超えるものとしての崇拝、多産で繁殖力に富むことから豊穣をつかさどる意味、そして東日本のノウサギは冬には毛皮が真っ白に変化することから白い動物を神性視する考え方(白鳥などを神性視する古来からの白への信仰)、西日本のノウサギは白くはないのであるが突然変異で白くなった動物を瑞兆とした考え方(白蛇、白鹿、白亀などが朝廷に献上された例などにも見られる希少な白への信仰)などさまざまな背景があると考えられる。
月読命(豊産祈願)や大己貴命(大国主命)、御食津神(五穀豊穣)などを祭神とする寺社ではその祭神の性格からウサギを神の使いとするところも多い。『古事記』には大国主命に助けられるウサギの話として「因幡の素兎」の話が伝わっている。
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この作品はそのような神の使いとして作られた作品かと思うのは考えすぎでしょうか? これはそのような推察から京焼するのが妥当かもしれません。むろん伊万里でも不気味な兎の絵付けの作品はありましが・・・。
当方の茶室には偶然「京焼」の作品を展示しています。
整理が終わって資料とともに保存箱に収納しました。当時と蒐集する作品のレベルがあまり上がっていないと反省・・。このような面白味のある趣向の作品を集めるのがいいと改めて痛感・・。
また大切に保存していきたいと思います。むろん男の隠れ家には飾られます。
京焼 兎香炉
箱入
幅150*奥行130*高さ150
「兎を装飾的に、かつ写実的に捉えながら香炉に昇華させた逸品。」と入手当時に自分で記録しています。未だに当方では製作年代は考えあぐねており、生産地は伊万里か京焼のどちらかであろうが、資料としては「京焼」と分類しています。
江戸期? それほど古くはなく明治頃の作かもしれません。残念ながら落としたのであろうか、入手時から大きな補修や割れがあり、このような難点があるから当方の小遣いにて入手できた金額だったのでしょう。
盛岡の骨董店の「古陶庵で」購入したものです。今でも開業しているかどうかわ解りませんが真贋共々ずいぶんと勉強させられました。
兎の表情がいい。兎の野生的な表現がよく、また蓋の雅な色使い、体毛の表現の豊かさといった楽しみの多い作品。
写実的でありながらどこか不気味?
干支の飾りとしてもいいでしょうが、単にかわいい兎でないところがあります。兎を山の神と同一視あるいは山の神の使いや乗り物とする伝承も日本各地に広くみられます。
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滋賀県高島郡では山の神の祭日には山の神は白いウサギに乗って山を巡る、山の神は白ウサギの姿をしているとされ、京都府愛宕郡では氏神三輪神社境内に祭られる山の神の二月の祭日には白ウサギが稲の種を蒔き、十一月の祭日には白ウサギが稲の落穂を拾うというので、白ウサギは決して獲ってはならないとされている。また、福井県三方郡ではウサギは山の神の使いとされ山の神の祭日に山に入ることの戒めとともに伝わっている。
兎が各地で山の神と同一視されてきたのは、人間の暮らす里と神や動物のいる山とを身軽に行き来することからの境界を超えるものとしての崇拝、多産で繁殖力に富むことから豊穣をつかさどる意味、そして東日本のノウサギは冬には毛皮が真っ白に変化することから白い動物を神性視する考え方(白鳥などを神性視する古来からの白への信仰)、西日本のノウサギは白くはないのであるが突然変異で白くなった動物を瑞兆とした考え方(白蛇、白鹿、白亀などが朝廷に献上された例などにも見られる希少な白への信仰)などさまざまな背景があると考えられる。
月読命(豊産祈願)や大己貴命(大国主命)、御食津神(五穀豊穣)などを祭神とする寺社ではその祭神の性格からウサギを神の使いとするところも多い。『古事記』には大国主命に助けられるウサギの話として「因幡の素兎」の話が伝わっている。
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この作品はそのような神の使いとして作られた作品かと思うのは考えすぎでしょうか? これはそのような推察から京焼するのが妥当かもしれません。むろん伊万里でも不気味な兎の絵付けの作品はありましが・・・。
当方の茶室には偶然「京焼」の作品を展示しています。
整理が終わって資料とともに保存箱に収納しました。当時と蒐集する作品のレベルがあまり上がっていないと反省・・。このような面白味のある趣向の作品を集めるのがいいと改めて痛感・・。
また大切に保存していきたいと思います。むろん男の隠れ家には飾られます。
蓋の形状も同じです。
もしかしたらこの兎香炉をベースに銅で作成されたものかも。