茶室の床に活けていた椿の花が咲きました。
さて本日の作品「飴釉面取壺」の紹介です。陶磁器ファンなら避けては通れない魅力のある古信楽と李朝の作品ですが、それらの優品は垂涎の作品ゆえ高価な作品が多く、おいそれと入手できる作品ではありませんね。その中で李朝の飴釉面取壺は作品の数も多く、贋作も少なく、手頃な価格で李朝の生活雑器の趣を味わえる作品群でしょう。ただ李朝は白磁こそ魅力であるという方には不向きでしょうか?
お手軽に楽しめる作品 飴釉面取壺 李朝後期
誂箱
外口径87~89*最大胴径160*145*高台径72~75*高さ145
李朝時代後期(19世紀)には、へらによって胴部を削り落とした飴釉面取壺が流行し、かなりの数が作られたようです。
易経の影響を受けて胴部が八面に分割されたとされる形は李朝独自の造形?で、見どころは釉薬の流れと面取りの表情で、角度によって壺の表情が変わります。ただ必ずしも八面とは限らず、多いものでは十一面なども珍しくなく、面の数は一定ではないようです。
もともとは調味料入などの生活雑器であり、擦れ疵があるのは生活道具として使われてきた証です。
これらの面取り壺は元々蓋が付いていたものと思われますが、なくなった物がほとんどです。蓋の有無は評価には影響ないと当方では思っています。蓋があっても使い道はありませんし、蓋があるからといって趣には大きく影響しません。蓋があるのはかえって新しい作品の疑いがあり風情の足りない作品が多いように思う時もあります。
韓国語では一般的に“ハチミツ壺”と称するようですが、前述のように調味料入などの生活雑器であり、必ずしも蜂蜜入ではなかったのでしょう。
類品が韓国全羅南道(チョルラナムド)潭陽郡(タミャンクン)龍淵里(ヨンヨンリ)の窯址で発見されています。胎土はねっとりした唐津に似たような土です。テカテカの高台の作品も数多くあるようですが、魅力に欠けています。
小さくても存在感があり、観賞用、花器としてお楽しめる作品です。高くても数万円、安ければ数千円で入手できる李朝の作品です。5万円を超える作品はまずありませんが、陶磁器としての味わいは充分あります。
*蜂蜜用の器という書き付けが箱に同封されていました。
作品に添付されていた覚書のような書付には「李朝中期」とされており、たしかに幾つかの作品には「李朝中期」とされている作品もあるようですが、無難な「李朝後期」に分類しておきましょう。
色が褪せた感じのところがある作品が趣があるようです。艶のある釉薬のため多くの作品が新しい感じのする作品であり、これらは趣に欠けるようです。単に「飴釉の面取壺」を選ぶならよりどりみどりの数がありますが、趣のある作品となると「飴釉の面取壺」に限らず非常に少ないように思います。
また飴釉の面取りの鑑賞ポイントは面のところで見せる釉薬の変化、さらに飴釉薬の流れによる濃い部分の朝鮮唐津のような変化、さらに稀に虹彩を発するような古色的な色合いが評価のポイントでしょう。
まったく違う鑑賞のポイントがある白磁の面取りと比べても面白いかもしれません。
花入れというより気楽に筆立てなどに使うのが手頃な使い道だと思われます。倒そうがなにしようがともかく安心して使える頑丈な作品ですね。
数多くある李朝後期の飴釉面取壺ですが、一個あれば十分な作品ですので、よく吟味して入手した方がいいのでしょう。
さて本日の作品「飴釉面取壺」の紹介です。陶磁器ファンなら避けては通れない魅力のある古信楽と李朝の作品ですが、それらの優品は垂涎の作品ゆえ高価な作品が多く、おいそれと入手できる作品ではありませんね。その中で李朝の飴釉面取壺は作品の数も多く、贋作も少なく、手頃な価格で李朝の生活雑器の趣を味わえる作品群でしょう。ただ李朝は白磁こそ魅力であるという方には不向きでしょうか?
お手軽に楽しめる作品 飴釉面取壺 李朝後期
誂箱
外口径87~89*最大胴径160*145*高台径72~75*高さ145
李朝時代後期(19世紀)には、へらによって胴部を削り落とした飴釉面取壺が流行し、かなりの数が作られたようです。
易経の影響を受けて胴部が八面に分割されたとされる形は李朝独自の造形?で、見どころは釉薬の流れと面取りの表情で、角度によって壺の表情が変わります。ただ必ずしも八面とは限らず、多いものでは十一面なども珍しくなく、面の数は一定ではないようです。
もともとは調味料入などの生活雑器であり、擦れ疵があるのは生活道具として使われてきた証です。
これらの面取り壺は元々蓋が付いていたものと思われますが、なくなった物がほとんどです。蓋の有無は評価には影響ないと当方では思っています。蓋があっても使い道はありませんし、蓋があるからといって趣には大きく影響しません。蓋があるのはかえって新しい作品の疑いがあり風情の足りない作品が多いように思う時もあります。
韓国語では一般的に“ハチミツ壺”と称するようですが、前述のように調味料入などの生活雑器であり、必ずしも蜂蜜入ではなかったのでしょう。
類品が韓国全羅南道(チョルラナムド)潭陽郡(タミャンクン)龍淵里(ヨンヨンリ)の窯址で発見されています。胎土はねっとりした唐津に似たような土です。テカテカの高台の作品も数多くあるようですが、魅力に欠けています。
小さくても存在感があり、観賞用、花器としてお楽しめる作品です。高くても数万円、安ければ数千円で入手できる李朝の作品です。5万円を超える作品はまずありませんが、陶磁器としての味わいは充分あります。
*蜂蜜用の器という書き付けが箱に同封されていました。
作品に添付されていた覚書のような書付には「李朝中期」とされており、たしかに幾つかの作品には「李朝中期」とされている作品もあるようですが、無難な「李朝後期」に分類しておきましょう。
色が褪せた感じのところがある作品が趣があるようです。艶のある釉薬のため多くの作品が新しい感じのする作品であり、これらは趣に欠けるようです。単に「飴釉の面取壺」を選ぶならよりどりみどりの数がありますが、趣のある作品となると「飴釉の面取壺」に限らず非常に少ないように思います。
また飴釉の面取りの鑑賞ポイントは面のところで見せる釉薬の変化、さらに飴釉薬の流れによる濃い部分の朝鮮唐津のような変化、さらに稀に虹彩を発するような古色的な色合いが評価のポイントでしょう。
まったく違う鑑賞のポイントがある白磁の面取りと比べても面白いかもしれません。
花入れというより気楽に筆立てなどに使うのが手頃な使い道だと思われます。倒そうがなにしようがともかく安心して使える頑丈な作品ですね。
数多くある李朝後期の飴釉面取壺ですが、一個あれば十分な作品ですので、よく吟味して入手した方がいいのでしょう。