夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

青磁輪花碗 

2012-03-23 06:04:28 | 陶磁器
何事によらず趣味で収集するということは欲をもつと限りないものになりがちです。数だけ多く集める人、質のレベルを上げようとする人、いずれにしても資金に限りがあり、人生(時間)に限りがあり、欲を持ち続ける限り際限のないものとなります。そのジレンマから趣味なのに嫌気がさしたり、いらいらしたりすると、何のための趣味か解らなくなります。



なにごとも「足るを知る」ということが大切です。ここまできたことに何事も感謝し、それ以上は求めないことが肝要な時が来るものと思っています。



本日の作品は詳細は不明です。出来がいいので購入したものです。上の写真のように見込みは指で茶溜りを作るようにすばやく成型しています。この辺の感覚はお茶碗を実際に作った人でないと理解できないかもしれません。

青磁輪花碗 
口径156*高台径46*高さ55




本日の作品は製作年代は不詳ですが、おそらくそれほど古いものではないと思われます。されど端正な成型からなる青磁の本作品は品格が高く見事な出来といえます。



高台の中が黒く焼けています。台を置いて焼成したためでしょう。



高台も含めて富士の形をしています。この辺がいい感じです。



青磁の貫入(ヒビ)の入り方も均一で見事です。色合いも濃すぎず淡すぎす、いい色合いです。

本作品は中国の量産品かも知れませんが、もしそうなら中国をなめてはいけません。日本の陶芸家の作品ではこれほどの作品はなかなか出来ないでしょう。



輪花の碗はお茶碗には向いていないと思われる方もおられるかもいしれませんが、意外と使いやすいものです。

 

口縁の廻りに残った内側上部のまっすぐな削りの跡などは意識的に残したものでしょう。無作為の作為というものでしょう。

近代の作にしろ、時代のあるものにしろ、その美の本質を見抜く感性が大切です。古ければいいというのは学者の考え方で、もっと美の本質を捉えるのが収集するものの考え方です。


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