夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

琴高仙人図 唐絵

2010-06-13 15:10:37 | 掛け軸
琴高仙人図 唐絵
絹本着色絹装額タトウ入 画サイズ:縦390*横540

琴高仙人は中国の仙人で鯉に乗っている図で有名です。

列仙人によると趙人(周時代・春秋時代の国、中国北部にあった)で琴に巧みで、宋王の舎人(とねりー律令制の下級官僚)となっていたが、よく仙術を心得、鯉に乗って来往したということです。




また小龍を追っていたとも言います。日本では古伊万里の絵柄として知られてますが、狩野元信や尾形光琳の筆からなる作品も有名ですね。

本作品は仙台の骨董店「汲古堂」より購入したものです。
訪問するとご主人が嬉しそうに見せてくれたのを覚えています。わりと廉価で譲って戴いたように覚えています。かなり痛んだ軸であったので、保存のことも考えて額装に改装しました。




軸の巻き止めには「伝明時代靳人伝子英筆 如堂愛蔵」とあります。

靳人とはタタール人のことか?

子英については鯉に乗る仙人である子英仙人のこと?

所有していたと思われる如堂についても不明です。

  


描法の技法としては、裏彩色を用いていると思われますが・・。

裏彩色:絹絵の彩色画法のひとつで、絹地は折織り目が透けるので、裏から形象に応じて彩色し、さらに表からも彩色して線描を加えて完成させる。裏の彩色は表の色の同系色で行われるが、そうすることにより表の彩色を薄くすることができ、重厚で顔料の発色の美しい彩色表現が可能となる。中国の絵画では人物画に限らず花鳥画にいたるまで広汎に、時代的にも漢時代にいたるまで行われている。日本では主として古代、中世の仏画や祖師像の表現に見出すことができる。

本作品は今では入手が難しくなった出来のいい中国古画です。日本でいうと江戸時代初期以前の作と推察されます。今後、大事にしていきたい作品のひとつです。


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