夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

色絵古九谷様式(九谷五彩手) 水禽図瓢箪型皿

2023-03-27 00:01:00 | 陶磁器
 青手の九谷だけが古九谷ではない・・。古九谷としては青手だけが注目を浴びますが、古九谷の作品の種類にはいろんなものがあり、その中でいちばん使い勝手がいいのが五彩手と呼ばれている作品群でしょうね。



色絵古九谷様式(九谷五彩手) 水禽図瓢箪型皿
高台内「福」銘 合箱
横幅125*奥行50*高さ29



「九谷五彩」と呼ばれる、緑・黄・紫・紺青・赤の色絵の具を自在に活用して絵付けされたスタイルを持つ作品群です。



5色の色絵の具をフル活用することから、「五彩手」とも呼ばれます。



色絵古九谷の条件は絵が洒脱であること・・。絵が下手な作品はまず存在しないとされ、絵付師は画家から絵を習った経験をもった者ばかりとか・・。



器の中央に、作品のモチーフを絵画的・写実的に描くことも、色絵の特徴です。作品の見どころは、屏風や掛軸から器へ抜け出してきたかのような絵画を描いた、熟練された絵付けの筆づかいです。

一見、稚拙のように見える絵も鳥などの対象物の特徴を踏まえた上で、ユーモラスに描いています。



色絵の古九谷は、中国の明王朝末期から清王朝初期にかけての色絵磁器がモデルになっているとも言われ、大皿 (大平鉢) から小皿 (端皿) に至るまで、中国風の人物・動物・山水 (風景) を見事に描写した名品が数多く残されています。 

本作品の左上部の太陽は中国の明王朝末期から清王朝初期にかけての色絵磁器の影響とされ、この絵の構成が色絵古九谷である証拠ともされます。


たしかに絵付は絵師の下で修業しているらしく、古九谷系統の絵付けは洒脱でうまいものが多いようです。



逆に言えば絵が下手で、デザインが雑なら近代の模倣作品や贋作ということになります。ほとんどの作品がそれで判別されるそうです




釉薬や胎土はまだ品質が悪く、口縁の鉄釉は胎土の悪さを隠すため、また色絵も剥離しやすく、白い部分も胡麻のような跡が残る作品や剥離のある作品が多いようです。



ところで最近の作家による器はモノトーンというか絵付のないものが多いのですが、それは絵を修行していないことが大きく影響しているのでしょう。



漆器の作品も無地が多いようですが、絵付けがあっても実に下手な作品ばかりですね。絵の修行がなされていない作品は見る価値もないものです。



陶磁器の作家も漆の作家も絵の修行をもっとするべきなのでしょうね。



最初からモントーンの作品そ志向するのは絵からの逃避行以外の何者でもないと思います。陶磁器へのモノトーンの浸透はまるでユニクロや100エンショップのごとく感じるのは小生ばかりではないでしょうね。



古くから全ての器には絵心があったのですが・・・。創造性の基本は絵心・・・。



NHKで「美の壺」という番組で現代の器を取り上げていましたが、当方では全く興味を惹かない作品ばかりでした。中国での日本の器の人気は裏を返せば中国の規制の多い陶磁器の作品に飽き飽きしていることに起因し、なにも日本の現代陶磁器がそれほど芸術性が高いわけではないと思います。



さて古来より陶磁器はいろんな器がいろんなつながりを持っています。それゆえ李朝、古伊万里といって特定分野の蒐集はそのつながりという点では盲目的な蒐集になる可能性があります。



いろんな知識を求めて多方面に触手を伸ばすのが骨董蒐集の醍醐味のような気がしています。



ただし人生は短く、資金いも限りがある、されど求めよ、さらば与えられん・・。






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