2010年11月19日(金)、奥州市江刺区岩谷堂の向山公園に登ってきました。「川端康成ゆかりの地」石碑がある所に生えているアカマツ(赤松)と思われる樹木が、果実をびっしりと付けていました。また、展望台からは東に種山高原、西に市街地を眼下に、遠く焼石連峰の山々が一望できます。
アカマツ(赤松) マツ科 マツ属 Pinus densiflora
山野にごく普通に見られ、植林も盛んに行われている常緑高木。乾燥にかなり強いので、尾根筋などによく生える。北は北海道の渡島半島まで植林され、苫小牧市の樽前山山麓には野生状態のものがある。幹は直立するか、やや曲がり、高さ30~35mになるが、大きいものでは高さ50m、直径2.5mに達するものがある。アカマツ林の楽しみはマツタケ(松茸)だが、年々荒廃が進んでいる。
和名は樹皮が赤褐色なのでこの名があるが、クロマツのオマツ(雄松)に対してメマツ(雌松)ともいう。樹皮は赤褐色または黄赤褐色で、幹の下部は暗赤色。若木の樹皮は浅く、老木になると厚く亀甲状に裂ける。冬芽は赤褐色の反り返った鱗片に包まれている。枝は若木では輪生し、円錐状の樹形になるが、老木の枝は水平に張り出して傘形の樹冠になる。葉は2個ずつつき、長さ7~12㎝の針状で、クロマツに比べると柔らかく、基部は膜状の褐色のサヤに覆われている。葉の横断面は半円形。
4~5月頃開花する。雌雄同株。雄花は若枝の下部に多数つき、長さ約1㎝の円柱形で緑黄褐色を帯びる。雌花は紅紫色で若枝の先端に2~3個つく。球果は翌年の10月頃成熟し、長さ3~5㎝の卵状円錐形で淡黄褐色(クロマツより少し小さい。)種子は長さ約5㎜の倒卵形。翼は種子の長さの約3倍で披針形。
クロマツやアカマツの松やにからはテレピン油やワニスをつくる。園芸品種のジャノメアカマツcv.Oculus-draconisは葉の中央部より下部に黄白色の斑が入り、上から見ると美しく、蛇の目傘のように見える。
用途:庭木、防風・防砂、盆栽、花材、建築・土木・器具・楽器材、床柱、パルプ。分布:北海道(西南部)、本州、四国、九州、朝鮮、中国東北部。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の樹木」&同「山渓ポケット図鑑3・秋の花」より]
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