Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

程々に飲める人々

2005-08-23 | その他アルコール
 2004 09/22 編集


アセトアルデヒド分解酵素の遺伝子による活性の違いと病歴の記事を読んで、いつもながら不思議に思う。アルコールが分解されない人、分解され難い人とに分けて、そのような遺伝子はモンゴロイド以外には皆無と、いつもの事ながら記されている。欧州の酒場での経験則からしてこれは不思議である。

疑問なのは、中間の「程々に飲める人」カテゴリーに含まれる体質である。酒場で「うだをあげてる」親父達は、大抵このタイプに入ると思うからだ。ゆっくりのペースで店仕舞いまで、醒めずにチビチビと飲んで、口角流沫して、帰りには千鳥足となる。其れを酩酊初期とすれば、多くともビール2リッターかワイン0.75リッターにシュナップス引っかけた程度である。決して大酒飲みは多くない。この量を超えた場合は、大抵酩酊もしくは、酔っ払いがハッキリとする。

昔、英国国鉄車内で見た酔っ払いが忘れられない。英国人としてはかなり長身で、痩身ながら1.90メートル以上もある30代のスーツ姿の紳士、職場から帰宅途上ロンドン郊外のパブで大分飲んだのであろう。膝から下に長い足を絡ませ、上体を大きくふらふらとさせて一等席に乗り込む。頭が全く定まらず殆ど意識が朦朧としている。それでも右へ左へとよろめき乍、空いた席に腰を下ろす。これほどに泥酔しても確りと意志をもった人間を初めて見て感動した。細いながらも彼の体格から察して、80キログラム以上はあった筈だ。その彼がスコッチを一気飲みしたとも思えない。飲んでいるうちにいつの間にか回ってきていた様子であった。

またある北ドイツ出身の男性は、1.60メートル前半と小柄だが、体格は良くサッカーもするスポーツマンである。仕事帰りに一杯引掻けるような 飲酒癖がある割には、いつも比較的早く酩酊する。さてこれらの人々は、上の遺伝子の特徴から「アルコールに強い人」となるが、実際は明らかに「程々に飲める人」であり上の定理に矛盾する。

さらに体格の良い100キログラムを優に超える南ドイツの男性は、明らかに「強い人」でワインフェストで3リットル近くも飲んだが、さすがにあくる日は朦朧として夕方まで頭痛に苦しんだ。

反対に日本人で「飲めない人」は多くとも、「程々に飲める人」は個人的に余り知らない。大抵は100キログラム以下の体格からすると、ワイン1.5リッターもしくはビール3リッター以上を3時間以内に飲んで堪えない人は少ないのが当然であろう。

大きな違いは、泥酔して立てなくなったり意志が示せなくなるかどうかということだろうか。自意識の強さの相違と感じていたが、実はこれが体質の違いということになる。いつの間にか寝てしまう「弱い人」は知っているが、意識の無くなった人と酌を交わしたことは無いのでこれも定かではない。



参照:交差する実験予測と命題 [数学・自然科学] / 2005-08-13
コメント
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