99年が初版本ですが、実際に書かれた事柄はソレより10年ほど前からのことです。
作者、谷崎光さんがOLで大阪の貿易商社に入り、中国を担当した。ところが、その当時は日中貿易がようやく始まったばかりのことで、衣料品でも首の入らないTシャツやポケットが縫い付けられて手も入れられないようなもの、開かない傘など、納品される品がとんでもない物ばかり。クレームをつけても馬耳東風。華僑の上司にしごかれ格闘しつつ見えてきた日中ビジネスの深い闇と希望。爆笑ノンフィクションです。解説:田辺聖子
日中ビジネスで一番問題なのは、契約を交わすとき、国内でしたら細かいところまでつめないで腹のうちで取引が始まりますが、ソレを日中間でやったら、したたかな中国人にやられるだけ。これは日本が世界の中で特殊なんだと思いますが、、、。
中国人のエリートは、体格、知識、知恵全てにわたって、その他庶民とはけた違い。勉強熱心で仕事熱心、日本のサラリーマンが太刀打ちできるワキャないぐらいです。それに独立心が旺盛で、仕事を覚えたらさっさと辞めて給料の良い所へ行ってしまう。
また、基本的に家族単位で動くけど、いったん信用して友人として認識してもらうと、長ーい付き合いになる。しかし、一回でも心の中で、軽蔑されたりしたら、いくら表面の顔がニコニコしていても、ただ切り捨てられるだけ。という厳しさをエリートほど持っているようです。
この本を読んで、ある中国人のいちめんなんだろうけど、理解はできました。とても利にさとい国民なのでしょう。でも、それは大事なことで、真剣に生きていることの現われ。利とメンツを大事にしているのです。はっきり最初からそう思えば付き合いやすくなります。
ややキライだった中国でも好きになるような本です。
映画化もされたらしい。