「滝壺ビオトープ」の整備のため、「ヒメダ
カ」は全て鯉の池に放すことにした。これは
滝壺ビオトープ内の環境を、完全にヤゴ中心
にすることと、他の小さな水生昆虫、「ツブ
ゲンゴロウ」などが生き易いものにしようと
いう考えの基の行動である。例え小さなヒメ
ダカであれど、動くものはとりあえず食べよ
うとするのだ。交尾はすれどいっこうにその
姿を確認できないツブゲンゴロウの幼虫など
は、多分食べられていると予想されるのだ。
二十匹以上のヒメダカを捕まえるのも結構大
変で、朝の動きの鈍い間を狙ったり、数匹づ
つ捕まえては放流を繰り返し、何とかミッショ
ンは完了した。鯉の池に放すと食べられてし
まうのではと以前は考えていたが、偶然逃げ
出したヒメダカが元気に成長しているのを見
て、これは大丈夫と確認してのことなので、
不安はない。実際、狭い滝壺ビオトープ内で
は、縄張り意識からお互いを突っつきまわし
ていたが、より自然界に近い池の中だと、今
度は仲間意識からか、ちゃんと群れとなって
行動している。メダカの学校になっているの
だ。よくしたものである。天敵のいる環境で
は、それに適した本能的な行動を取るように
なっているのだ。鯉の池は凍ることもないし、
冬場も大丈夫だ。中には食べられてしまうの
もいるだろうが、安全地帯は用意してあるし、
元気な個体は間違いなく生き残ると確信して
いる。
滝壺ビオトープは、「ホテイ草」も整理しよ
うと思っている。すでに数株と、葉も整理し
たのだがそれだけでも大分すっきりしてきた。
冬には枯れるらしいので(零下では生き残れ
ないということだ)、いずれ撤去なので今か
ら始めているのだ。来年はホテイ草は置かな
いつもりだ。在来種の水草も定着したし、あ
まりに繁殖して水面を覆いすぎるということ
もあるので。密集した根は、生き物にとって
は格好の棲家ではあったが、今年でお役ごめ
んということだ。試行錯誤のビオトープ作り
はまだまだ続く。