あまりに暑いので、今日は同じ大量発生でもちょっと背筋が寒くなる話を。
多分、7月頃だったと思うが、ある夜山をバイクで走っていた。ちょっと霧も出てきたのでスピードを緩めゆっくり降り始めたのだが、それにも関わらずコーナーでスリップしてしまった。時速は20キロも出てなかったのではないか。そのこける前、路面に何かの花びらが一面に散っていて、この時期この場所にこれほど花が咲くような木はあったかと不思議には感じていた。そしてこけて改めて路面を見ると、その花びらと思ったものが全てゆっくり動いている。まじまじと観察するとそれは「ヤスデ」であった。この辺りの高現地帯では、何年に一回大量発生することがある「ヤスデ」であるが、遭遇したのはその時が初めてであった。その数推定数千匹。昔、小海線の列車をスリップさせて動かなくさせたことがあるが、そのくらい脂分が多いのである。だから今回もゆっくりにも関わらずスリップしてしまったのだ。因みに「ヤスデ」と「ムカデ」の違いは、足の数が一節に二対がヤスデで一対がムカデ、共通するのはどちらも気色はよくないということである。霧の流れる夜、誰もいない高原でヤスデの大群に取り囲まれる、ホラー映画そのものの状況であった。
次はゴキブリである。使ってない排水口からゴキちゃんの顔が頻繁に見えるので、漂白剤でもまぶして退治するかとキャップ一杯の漂白剤を投入した。その瞬間、排水口からはそれこそ蜘蛛の子を散らすかのように大小様々なゴキちゃんが一斉に湧き出した。その数推定数百。これだけの数のゴキちゃんを見たのは初めてである。しかもそれらが四方八方に散っていく。もう呆然と見送るだけであった。殺虫剤などとても間に合わない。結局、最終的にはバルサンのお世話になるしかなかった。
これで少しは暑さも和らいだであろうか。(写真は昨日の国蝶オオムラサキ)